2021 Fiscal Year Annual Research Report
Molecular target of anticancer drug resistant ovarian cancer: EMT transcription factor ZEB1
Project/Area Number |
18K16795
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Research Institution | Aichi Cancer Center Research Institute |
Principal Investigator |
坂田 純 愛知県がんセンター(研究所), がん予防研究分野, 研究員 (40778297)
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Project Period (FY) |
2018-04-01 – 2022-03-31
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Keywords | 再発卵巣癌 / 抗癌剤耐性 / drug rechallenge |
Outline of Annual Research Achievements |
卵巣癌治療において、抗癌剤耐性の獲得は予後に影響する重大な因子であり、本研究では難治性再発卵巣癌治療の標的として、ZEB1やCTGFの関与についてすでに論文で報告済みで、今後は抗癌剤耐性に関連する以下の臨床データの論文化を予定している。 薬剤耐性は安定した遺伝的プロセスであると考えられてきたため、耐性化した治療薬の再使用は一般的に禁忌である。一方最近の研究では、化学療法および分子標的薬に関連する不安定で非遺伝性の後天性薬物耐性機序の役割を示唆しており、耐性化薬剤の休薬後に同じ治療(薬物再投与; drug-rechallenge)の再導入に患者が応答することが多くの癌腫で報告例がある。今回抗癌剤耐性卵巣癌において、耐性化薬剤の再導入による腫瘍再感作の可能性について検討した。 1998年から2014年までの期間中、抗癌剤耐性再発卵巣癌患者152人を調査した。進行卵巣癌初回治療のTC療法は卵巣癌の初期治療でとくに効果が高い一方で、薬剤耐性化後の再発癌において毒性の問題から多剤併用が推奨されておらず、今までに検討されてきていないということに着目し、TC rehcallenge症例18例について検討した。TC rechallengeが奏功した6症例について、3例(50%)が初回治療でTC耐性(非寛解、もしくは6カ月未満の再発)であった。その3例とも他剤への変更および腫瘍減量手術を介して、TC rechallengeが行われ効果を得た。 TC rehcallenge 奏功6例を有効群、病状進行12例を進行群とし、生存データについて検討した。TC rechallengeが有効であればPFSおよびOSが有意に延長し、臨床学的因子は、初回再発までの期間が6カ月以上、前回治療からTC rechallengeまでに手術あり、TC rechallenge導入時に腹水(癌性腹膜炎)なしが関連していた。
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