2019 Fiscal Year Annual Research Report
Molecular analysis of endometrial cancer
Project/Area Number |
18K16810
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Research Institution | Iwate Medical University |
Principal Investigator |
深川 安寿子 岩手医科大学, 医学部, 任期付助教 (30772511)
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Project Period (FY) |
2018-04-01 – 2020-03-31
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Keywords | 子宮体癌 / 類内膜癌 / microRNA / リンパ節転移 |
Outline of Annual Research Achievements |
子宮体癌はホルモン依存性で、5年生存率は85%以上と比較的予後良好な癌腫である。本腫瘍の多くは、外科的治療や化学療法により良好な経過をたどるが、その中にも転移や再発、化学療法に治療抵抗を示す症例が存在するが、これらの分子生物学的機序については、いまだ充分に解明されていない。近年、タンパク質へ翻訳されないRNAであるnon-cording RNA(ncRNA)が生命機能維持に重要な役割を担っており、そのうち22塩基前後の小分子から成るmicroRNA(miRNA)やlong ncRNAが癌をはじめ様々な病態へ関連することが明らかとなった。 本研究においては、腺管分離法を用いて癌腺管からRNAを抽出し、MicroRNA(miRNA)の解析を行った。子宮体癌27症例のmicroRNAの特徴として、57のmicroRNAに発現レベルの上昇を認め、176のmicroRNAに発現レベル低下を認めた。子宮体癌27症例のうち、リンパ節転移陽性症例をA群、リンパ節転移は陰性だが、リンパ管侵襲や脈管侵襲が陽性の症例をB群、リンパ節転移陰性、かつリンパ管侵襲、脈管侵襲陰性をC群として分類した。各群におけるmiRNAの発現レベルの差において、A群とC群間におけるmiRNAの発現レベルは、7つのmiRNAにおいて有意な差を認めた。miR-6068が発現レベルの上昇を示し、その他miR-10b-5p、miR-2110、miR-3131、miR-3158-2、miR-6876-5p、miR-874-3pに発現レベルの低下を認めた。A群とB群間におけるmiRNAの発現レベルは、2つのmiRNAにおいて発現レベルの低下を認めた。 今後、分子生物学的背景を理解することにより、正確な病期決定の一助となり、適切な治療選択、予後改善につなげることが重要である。
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