2019 Fiscal Year Research-status Report
嗅粘膜発現SGLTの機能性と糖尿病性嗅覚障害の病態の解明
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18K16839
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Research Institution | Mie University |
Principal Investigator |
玉利 健悟 三重大学, 教養教育院, 特任講師(教育担当) (90585176)
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Project Period (FY) |
2018-04-01 – 2022-03-31
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Keywords | 嗅細胞 / 電気生理学 |
Outline of Annual Research Achievements |
2019年10月にAuris Nasus Larynxに「Electrical properties of cells from humanolfactory epithelium.」の論文が掲載された。本論文はヒトから提供を受けた嗅粘膜を用いて、生きた細胞の電気生理学的な解析を試みたものであり、日本での報告は初である。これは耳鼻咽喉科・頭頸部外科学科教室の協力の元、手術現場での検体採取を行い、直後に組織をトリミング、酵素処理し、生きた細胞を顕微鏡下で確認、電気生理学的実験を行うため、簡単に行える実験ではないためだろう。本報告によって、ヒトにおいても、他の動物、例えばマウス、ロブスター、イモリなどと比べても、大きく進化が見られてない可能性を示唆した。この報告した内容をさらに詳細に調べるため、幾つかの試薬を用いた実験を行いつつ、糖尿病を含む生活習慣病に関わる国内の研究会で座長を務めるなど、糖尿病性嗅覚障害に対する新たなアプローチを模索している。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
4: Progress in research has been delayed.
Reason
昨年度開始時に、研究環境が大きく変わったこともあり、立て直すのに時間がかかったことと、例年最も研究が進捗する年度末に、新型コロナウイルスによるオンライン授業等の対応で業務時間が多く占められてしまったこともあり、実験時間があまり確保できなかった。また、注文した試薬も遅れてしまったこともあったため、現在次の実験準備を行っているところである。
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Strategy for Future Research Activity |
研究の遅れを取り戻すべく、実験施設を早急に再構築すると同時に、実験施設を用いない実験、例えば研究の包括的なデータの基礎的なものとして、ヒトを被験者とした、糖尿病や、味覚と嗅覚に関連した実験を計画している。新型コロナウイルスの問題が解消され次第、同時並行的に研究を進展させる予定である。
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Causes of Carryover |
昨年度予定していたヒトを扱った実験が出来なかったことと、実験装置の買い替えの必要性がなかったため、本年度に繰り越して、行う予定である。
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Research Products
(1 results)