2018 Fiscal Year Research-status Report
Project/Area Number |
18K16864
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Research Institution | Osaka Medical College |
Principal Investigator |
東野 正明 大阪医科大学, 医学部, 講師 (30397278)
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Project Period (FY) |
2018-04-01 – 2021-03-31
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Keywords | 耳下腺悪性腫瘍 / PD-L1 |
Outline of Annual Research Achievements |
唾液腺癌、特に耳下腺癌におけるPD-L1の発現状況について検討した。対象は当科で手術治療を行った耳下腺悪性腫瘍症例127例とした。高悪性が44例、低・中悪性が83例であった。組織型は、粘表皮癌が33例、腺房細胞癌が19例、腺様嚢胞癌が17例、多形腺腫由来癌が17例、唾液腺導管癌が10例、基底細胞腺癌が10例、上皮筋上皮癌が9例、扁平上皮癌が4例、筋上皮癌が2例、嚢胞腺癌が2例、リンパ上皮癌が2例、腺癌NOSが1例、滑膜肉腫が1例であった。年齢は男性が68例、女性が59例であった。年齢は14歳から85歳、中央値が58歳であった。これらの耳下腺癌症例に対して、手術を施行し、その際に摘出した原発巣の標本を集め、PD-L1を免疫染色で染めて、その発現状況について確認をした。耳下腺癌症例の36例(28.3%)にPD-L1の発現を認めた。19例は10%以上の高発現の症例であった。病期分類との比較では、StageⅠ-Ⅲでは22.1%の発現率であったが、StageⅣでは41.4%であり、病期が進めば有意にPD-L1の発現が高くなることがわかった。組織学的悪性度では、低中悪性度癌で18.1%、高悪性度癌には47.7%であり、有意に高悪性度癌でPD-L1の発現率が高いことがわかった。しかし、PD-L1の発現の有無で疾患特異的生存率には有意な差は認められず、高悪性度癌に限った検討でもPD-L1の発現の有無と疾患特異的生存率には有意な差は認められなかった。また、高悪性度癌の中で粘表皮癌、扁平上皮癌、多形腺腫由来癌、唾液腺導管癌には50%以上の症例でPD-L1の発現が陽性であったが、腺様嚢胞癌症例にはPD-L1の発現は認められなかった。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
1年目に予定していた腫瘍周辺のCOX-1、COX-2、PGE-2、IL-6、IL-8などの炎症性サイトカインの発現に対する評価がまだ施行できていない。
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Strategy for Future Research Activity |
1年目に施行できなかった腫瘍周辺のCOX-1、COX-2、PGE-2、IL-6、IL-8などの炎症性サイトカインの発現に対する評価などの研究内容について2年目以降に施行していく予定としている。 加えて、2年目に予定しているMDSCを中心とした検討を進めていきたいと考えている。
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Causes of Carryover |
2018年度に施行できなかった腫瘍周辺のCOX-1、COX-2、PGE-2、IL-6、IL-8などの炎症性サイトカインの発現に対する評価などを2019年度に実施するためにその費用を使用する予定としている。
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