2019 Fiscal Year Research-status Report
病的近視眼の眼内部構造の長期形態変化解析とコンピューター診断支援システムの確立
Project/Area Number |
18K16920
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Research Institution | Tokyo Medical and Dental University |
Principal Investigator |
横井 多恵 東京医科歯科大学, 医学部附属病院, 助教 (00771502)
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Project Period (FY) |
2018-04-01 – 2021-03-31
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Keywords | 新規眼底画像解析法 / 病的近視 / 眼球形態解析 |
Outline of Annual Research Achievements |
病的近視等の長期経過で眼球形態が変形する眼では、現状の技術では、異なる時期に撮影された同一症例の眼底画像を比較解析することができない。本研究の 目的は、3D MRIで得た眼球形状の情報を2次元画像に変換し、眼底写真に投影するための新規画像解析技術を開発することで、眼球変形が眼内部構造に与える影 響を明確にすることである。病的近視眼における同一眼の異なる時期(約25年の経過観察)に撮影された眼底写真を収集した。近年の画像には3D MRIで得た眼 球形状変形の情報があるので、これを2次元画像(眼底写真)に投影することで、眼球変形の影響を加味した眼底像の画像解析が可能となる。眼球変形が眼内部 構造に与える臨床的影響を解析する。28年度までに開発し特許出願した新規眼底画像解析技術を用いて眼球変形が眼内部構造に与える臨床的影響を統計学的解 析する取り組みを行った。解析のために病的近視眼における長期経過における眼底画像や臨床データを収集することで、副次的に様々な知見を得ることができ た。これらの成果は経過中に国際学会にて報告し、可能なものは国際誌にて報告した。なお、上述した解析ソフトは病的近視眼のみならず、すべての眼において 応用可能であるため、全眼疾患の経過観察、もしくは眼検診結果の比較解析などに、広範に応用されると考えられる。また、眼底画像の比較解析結果から、病的 近視眼では長期経過により眼球形態が大きく変化し、これにより視神経乳頭形態もまた、大きく変化することが、明確になると予測される。元来、視神経乳頭形 態は先天的にある程度決定されているとする従来の見解を覆す可能性がある。また、視神経乳頭への機械的負荷から失明に至ると考えられる、緑内障や強度近視 眼に合併する緑内障と類似した失明に至る病態である近視性視神経症の病態解明の一助となり得る。現在、論文の投稿に向けて英語論文を執筆中である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
病的近視眼における同一眼の異なる時期(約25年の経過観察)に撮影された眼底写真を収集した。これらの収集過程で得られた長期経過における様々な病的近 視における眼合併症における新たな知見を経過中、学会、国際誌等で発表した。同時に、対象症例の約50眼の3D MRIをこれまでに撮像した。さらに28年度ま でに開発した特許出願した技術を用いて、全症例の画像解析を行なった。現在、眼球変形が眼内部構造に与える臨床的影響を解析するために、病的近視に伴う眼合併症等の臨床データを追加収集中である。しかし患者の受診が半年から1年にに1度の症例も多いためデータの収集に時間がかかる。さらにコロナウィルスの影響で、患者の受診を大幅に制限したため、データの収集が思うように進行せず、さらなる時間を要した。またMRIの予約も大学病院 でありなかなか制限がかけられ枠がない状態となった。データ収集が終了次第、統計学的解析を行い、成果を国内外で発表し、国際雑誌に投稿予定である。現行の執筆はすでに開始している。
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Strategy for Future Research Activity |
コロナの影響で中断を余儀なくされたが、症例数を増加し、増加した症例数に、上述した解析を行い、非線形解析による眼球形態変化解析の有用性を3D MRI画像と比較し検討を行う予定である。MRIと非線形解析の結果の対比では、見かけ上の一致率、カッパ係数、一致性の強度等の解析を行う予定である。一致率が高いことを予測しているが、不一致が見られる 症例もあると考えられる。不一致の理由を症例ごとに検討する予定である。また画像解析かられた定量的な長期的眼球形態の変形指標が、病的近視に伴う様々な 眼合併症に与える影響を検討する。データ収集・解析と並行して、論文執筆を行う。データを揃え症例数が増加した時点で国際誌に投稿予定である。
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Causes of Carryover |
コロナ禍の影響で患者の受診が延期され、データの収集に予想以上の期間を要した。研究成果の国際誌への投稿料や、国際学会での討論や成果発表のために必要な資金として利用する予定である。
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Research Products
(25 results)
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[Presentation] A Retrospective Study on the Development of Posterior Staphyloma in High Myopia Patients.2019
Author(s)
Yokoi T, Kosei Shinohara, Yuxin Fang, Satoko Ogata, Takeshi Yoshida, Takahiro Imanaka, Hiroyuki Yoshida, Keiichi Shibagaki, Hiroshi Inoue, Masanao Toshimori, Yuki Togashi, Kyoko Ohno-Matsui
Organizer
17th IMC(International myopia Conference).
Int'l Joint Research
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