2020 Fiscal Year Annual Research Report
Establishing a risk score for glaucoma and its progression and creating a system for personalized medicine
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18K16960
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Research Institution | Kyushu University |
Principal Investigator |
藤原 康太 九州大学, 大学病院, 医員 (80808121)
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Project Period (FY) |
2018-04-01 – 2021-03-31
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Keywords | 緑内障 / 疫学研究 |
Outline of Annual Research Achievements |
本邦での視覚障害の第1位は緑内障であり、緑内障が進行すると日常生活や労働能力に著しい低下をもたらすだけでなく、生活の質の低下にも影響を及ぼしてしまう。緑内障は多因子疾患の一つであるが、遺伝子情報と環境因子も含めた具体的な緑内障との関連については十分に解明されておらず、遺伝子多形と全身因子との相互作用、進行因子について明らかにする必要がある。遺伝要因を含めた全身因子の網羅的解析を行うことで、種々のリスクに応じた緑内障発症リスクスコアを確立することが可能となる。このリスクスコアを用いて個別化医療の基盤を作り、緑内障予防指導を実践することで視機能をより長期に保つことを目的とする。 2017年(平成29年)から継続して行っている緑内障発症調査はコロナの影響のため2020年度は実施が制限された。そのため2017-2018年の緑内障の有病率とその危険因子を解析し学会にて報告した。今後は発症データベースを完成させ、詳細な全身データ、遺伝子情報との相互作用を検討しながら緑内障との関連を探索的に解析する。これを用いて緑内障発症と遺伝子型、全身疾患および環境要因との関係を解析し、リスクレベルに応じて疾患を予防するための基本原理を見いだす。この網羅的解析から緑内障発症リスクスコアを確立しリスクスコアを用いて個別化医療の基盤を作る。さらに住民健診時にこのシステムを導入し、緑内障発症リスクスコアを用いることで個別のリスク管理を実現し、より実用的なシステムを構築する予定である。今後、さらなる高齢化を迎えるにあたり、介護・福祉の面からも健康寿命の延長が高齢者医療費の抑制にも重要である。
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