2019 Fiscal Year Research-status Report
Project/Area Number |
18K17075
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Research Institution | Health Sciences University of Hokkaido |
Principal Investigator |
高井 理衣 北海道医療大学, 健康科学研究所, 助教 (50781085)
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Project Period (FY) |
2018-04-01 – 2022-03-31
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Keywords | プロポリス / DNAメチル化 / LPS |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究では、プロポリスのもつ歯周病改善効果、特に細胞に対する生理活性作用の機序についてDNAメチル化という観点から検討することを目的とする。 これまでに、プロポリスの歯周病改善効果のメカニズムについて歯周病原菌に対する抗菌作用機序の詳細は報告されているが、歯周組織や細胞に対するプロポリスの生理活性作用機序に関するものは少ない。特に、DNAメチル化に着目した研究は全く行われていない。また、プロポリスを用いた生理活性を検討する添加培養実験は2~3日程度の短期間のものが多いが歯周病などの慢性疾患を対象とした場合は適切とは言い難かった。 今年度は、プロポリスに含有される生理活性物質Artepillin Cを1ヶ月間添加した細胞サンプルと添加していない細胞サンプルからtotal RNAを抽出し、マイクロアレイを用いた遺伝子発現のプロファイリング解析を行った。 マイクロアレイ解析では、Z score>2.0かつ1.5倍以上の発現上昇がみられたのは370遺伝子、Z score>2.0かつ0.66倍以下の発現低下がみられたものは378遺伝子であった。これらの遺伝子をキーワード解析にて機能分類してみると41群に分けられた。最も有意な発現変化が認められたのは細胞外マトリックスの遺伝子群で、発現が最も上昇していた遺伝子にはTNXB、WNT7B、COL9A2、発現が最も低下した遺伝子にはHSPG2、LAMB4が含まれていた。これらの遺伝子は、qPCR法においても再現性が確認された。 アルテピリンC長期添加により、ヒト歯根膜線維芽細胞において細胞外マトリックスに関連する遺伝子発現の顕著な変化がみられたことから、プロポリスは歯周組織の細胞外マトリックスに対して著明な生理活性作用を示すことが示唆された
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
本研究の進捗状況は、当初の予定通り順調に進んでいる。
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Strategy for Future Research Activity |
今後の研究の推進方策については、当初の計画内容に変更無く進めていく予定である。 遺伝子発現解析においてArtepillin C添加による発現変化の認められた遺伝子群について、プロモーター領域のDNAメチル化解析を行う。
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