2018 Fiscal Year Research-status Report
細胞シート工学にエピジェネティクスを応用した口腔外歯周組織再生ユニットの開発
Project/Area Number |
18K17091
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Research Institution | Health Sciences University of Hokkaido |
Principal Investigator |
吉田 光希 北海道医療大学, 歯学部, 助教 (30453260)
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Project Period (FY) |
2018-04-01 – 2021-03-31
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Keywords | エピジェネティクス |
Outline of Annual Research Achievements |
歯根膜を主体とした歯周組織の再生療法として、GTR法やエムドゲインなどが臨床応用されているが、抜歯に至るような重度歯周炎に対しては適応が困難である。重度歯周炎で抜歯に至った歯でも歯周組織を再生することができれば、欠損補綴に代わる新たな治療法になるものと考える。そこで、抜歯に至った歯を利用し、口腔外で新たに歯周組織を形成するとの着想に至った。代表者はこれまで、エピジェネティクス修飾を応用した歯根膜由来マラッセ上皮細胞の幹細胞化に成功し、さらにこの細胞を間葉系幹細胞や血管内皮細胞へ分化させる事にも成功した。そこで本研究では、現在、新たな再生療法として臨床研究されている細胞シート工学を応用し、シート内の細胞にエピジェネティクス修飾を行い、口腔外で歯牙と人工骨である骨補填材との間に歯根膜を形成する、歯周組織再生ユニットの作製を行うこととした。これに成功すれば、将来的な臨床応用への可能性が広がる。初年度は人工的な歯根膜類似細胞集団の作製を目的とし、ブタ歯髄細胞、ヒト臍帯静脈内皮細胞、エピジェネティクス試薬の5-Aza-2'-deoxycytidineとバルプロ酸によって脱分化させたブタマラッセ上皮細胞とを共培養し(共培養群)、歯根膜特異的遺伝子のmRNA発現について検討した、定量的RT-PCR法の結果、歯髄細胞単独培養群に比べ、共培養群では、歯根膜で特に発現するALP, NCAM1, MSX2, periostin及びS100A4, 間葉系幹細胞陽性マーカーのCD29, CD44, CD90及びCD105についてmRNA発現の有意な上昇を認めた。また、間葉系幹細胞陰性マーカーのCD14及びCD45についてはmRNA発現の有意な変化はみられなかった。このことから、共培養群は人工的な歯根膜類似細胞集団としての特性を有する可能性が示唆された。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
当初の予定としては、初年度にmRNA発現レベル解析の後、積層上皮間葉細胞シートの作製まで行う予定であったが、mRNA発現解析対象である歯根膜特異的遺伝子数を予定より増やして解析を行ったため、解析に時間がかかったことが理由としてあげられる。
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Strategy for Future Research Activity |
今後は、まず積層上皮間葉細胞シートの作製を行い、抜去歯サンプルの収集と歯根膜への積層上皮間葉細胞シートの貼り付けを行った後、抜去歯と骨補填材ブロックとの共培養による人工的歯根膜増生能・結合能の検討を予定している。
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Causes of Carryover |
次年度使用額が生じた理由としては、当初本年度に予定していた積層上皮間葉細胞シートの作製を行えなかったことがあげられる。これに対しては、次年度に研究を予定しているため、次年度の使用を計画している。
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Research Products
(1 results)