2020 Fiscal Year Research-status Report
コネキシン43発現調整による骨組織再生メカニズムの解明
Project/Area Number |
18K17096
|
Research Institution | Tokyo Medical and Dental University |
Principal Investigator |
藤井 政樹 東京医科歯科大学, 歯学部, 非常勤講師 (30710024)
|
Project Period (FY) |
2018-04-01 – 2022-03-31
|
Keywords | コネキシン43 / 骨芽細胞 / 骨形成 |
Outline of Annual Research Achievements |
本年度は成体でのCx43によるギャップジャンクションの役割を解明するため、4ヶ月令でDox含有餌から普通餌に変更し、骨芽細胞系の細胞におけるノックアウトを誘導した。Cx43KOの血清および大腿骨の形態計測を行うことができたが、発生初期から骨芽細胞系細胞でKOしたマウスの骨の形質変化とは異なり、ほとんど野生型と変わらない結果となった。これらの結果から、成体の骨リモデリングにおけるCx43の役割は大きく無いと推定された。しかし、Dox含有餌から普通餌への変更によってどの程度骨系の細胞でCx43のKOが誘導されていたのかを確認したところ、4ヶ月令で普通餌に変更してもその後の骨におけるCx43のmRNA発現量が低下していないことがわかり、ノックアウトの誘導が起こっていない可能性を強く示唆する結果であった。このことは生後4ヶ月令までにosterix発現誘導を伴う骨形成は終了していることが示唆され、ノックアウト誘導時期について再考をせざるを得ないと考えられた。そこで、成体の骨芽細胞に寄与する骨芽細胞前駆細胞が生後約1週間までにOsxが発現する、一方、生後8週目令でOsxが発現する細胞は骨形成にほとんど寄与しないという報告(Dev. Cell, Vol 29, (3) 4, 340-349, 2014)から我々は生後2週間目にCx43を誘導する実験計画を立てた。本課題で挑戦していた成体でのCx43KO誘導という目的は達成できないが、少なくとも胎生期でのCx43KOを防ぐことは骨再生におけるCx43の役割を考える上で重要であると考えられる。
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
本年度、Cx43KO誘導はマウスの若年に行うことが必要であることが判明した。我々の4ヶ月令でのCx43KOはosx-creマウスでは誘導することができていないことがわかり、一歩後退する結果となった。しかしながら、Cx43の役割を解明するためにCx43KOを誘導する時期について再決定できたことは収穫である。
|
Strategy for Future Research Activity |
現在、Cx43KO誘導マウスを作成中である。さらに、高代謝回転型の骨粗鬆症モデルと考えられている卵巣摘出モデルを用いてCx43の役割についてさらに研究を進めたい。また、骨欠損を作成した際の骨再生についても研究を行う予定である。
|
Causes of Carryover |
予定より、研究の進行が遅れているため。
|