2020 Fiscal Year Annual Research Report
Development of multi-functionalized GBR membrane
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18K17152
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Research Institution | Nagasaki University |
Principal Investigator |
篠原 綾乃 長崎大学, 医歯薬学総合研究科(歯学系), 客員研究員 (10749394)
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Project Period (FY) |
2018-04-01 – 2021-03-31
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Keywords | ラクトフェリン / 抗酸化 |
Outline of Annual Research Achievements |
歯科インプラントを植立する際に顎骨の幅や高さが足りない場合、骨誘導再生(Guided Bone Regeneration: GBR)法は有効な骨形成方法の1つである。しかし新生骨形成までには、長期の待時期間、循環の遮断による創の開放、感染という問題が残る。 さらに一般的には粉砕した自家骨もしくは骨補填材を併用することが多く、感染は開放部分にとどまらず処置部位全体に波及する。これらを解決するため、本研究ではGBRメンブレンにスペースメイキングとしての機能のみならず、骨形成および軟組織治癒を促進することで治癒期間を短縮させ、またGBRメンブレン自体に抗菌性を持たせることで感染を防止する、多機能性を持たせたGBRメンブレンを作製し、in vitroおよび in vivoでその有効性を検討することを目的としている。 前年度までに、線維芽細胞に対し培地にラクトフェリンと亜鉛を添加し、タイムポイント毎の培養細胞の観察、およびタンパク質の発現の差を調べることにより、ラクトフェリンと亜鉛の及ぼす影響と有効濃度を調べた。また、創傷状態の組織を想定するため、培養前に過酸化水素を一時的に添加し、 その後の培養方法は同条件とした上で、同じタイムポイント毎でそれぞれの培養細胞の観察、およびタンパク質の発現を比較することにより創傷状態におけるラクトフェリンと亜鉛の影響を調査した。 歯肉線維芽細胞のコラーゲン遺伝子発現を亢進し、アポトーシスを抑制することがわかった。ある一定濃度の亜鉛添加によって、抗酸化遺伝子の一種であるGPx4が向上したことから、脂質の酸化からの回復に関与する可能性が示された。
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