2021 Fiscal Year Research-status Report
歯学部学士課程におけるプロフェッショナリズムの醸成過程と影響因子の解明
Project/Area Number |
18K17289
|
Research Institution | Kagoshima University |
Principal Investigator |
大戸 敬之 鹿児島大学, 医歯学域鹿児島大学病院, 助教 (60754299)
|
Project Period (FY) |
2018-04-01 – 2023-03-31
|
Keywords | プロフェッショナリズム / 医療プロフェッショナリズム / プロフェッショナリズムモデル |
Outline of Annual Research Achievements |
研究期間の延長した2021年度は、まずBraun&Clarkeによるthematic analysisを用いて分析を行い、昨年度まで作成をおこなってきた醸成過程モデルのさらなる精緻化を実施した。精緻化の結果から、学習者のプロフェッショナリズムの構成要素に環境が与える影響については、より大きなものである可能性が確認された。このことから、プロフェッショナリズムが文化的背景によって異なっているとされることが、学習者の段階でも確認できたと言える。本内容については欧州医学教育学会(An International Association For Medical Education 2021)にて発表を行った。さらに、学習者を対象とした追加のインタビューを実施しており、これにより理論的飽和に至っていることがほぼ確認できていることから、この内容については論文化を進めている。
また研究計画の通り、歯科医師を対象としたインタビューも行い、歯学部卒業時のアウトカムとしてのプロフェッショナリズムモデルの検討を行った。インタビュー内容をSteps for coding and theorizationを用いてプロフェッショナリズムモデルの作成を行い、日本の文化的背景を反映したモデルの構築を行った。ここでは「患者」を中心とする概念や、基礎となる「人間性」その他、影響因子、背景因子が明らかとなった。今後インタビュー対象を追加し、確実な理論的飽和を目指していく予定である。あわせて、本内容については、今後国際誌での発表を行い、他の文化圏からの指摘を得たいと考えている。
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
2021年度はコロナ禍の影響から他大学の学生へのインタビューは実施できていないが、歯科医師へのインタビューはオンラインで実施することができた。これにより、これまでのモデルの精緻化に加え、新たなプロフェッショナリズムモデルの構築が行うことができ、それぞれの比較が可能となった。以上から、昨年度の完全に遅れた状態からは一部回復することができたと考える。
|
Strategy for Future Research Activity |
2022年度においてもコロナ禍の影響は続いていると考えられるため、2021年度に構築したプロフェッショナリズムモデルの精緻化を行っていきたいと考える。これを広く発表することにより、日本の文化的背景および歯科医師という組織的な背景を反映させたプロフェッショナリズムモデルの確立が可能であると考える。
|
Causes of Carryover |
コロナ禍の影響が継続しており、コロナ禍でも実施できるように研究の進行方法の一部変更を行ったが、想定以上に進捗に時間がかかり、また国際学会での発表もオンラインとなったことから、次年度使用額が発生した。2022年度は研究の総括を実施し国際誌での発表を目指す。
|