2019 Fiscal Year Research-status Report
地域における非小児科医向け児童虐待予防教育についての研究
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18K17310
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Research Institution | Chiba University |
Principal Investigator |
小橋 孝介 千葉大学, 大学院医学研究院, 特任研究員 (50814034)
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Project Period (FY) |
2018-04-01 – 2021-03-31
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Keywords | 児童虐待 / プライマリ・ケア / 体罰禁止 |
Outline of Annual Research Achievements |
2018年度の研究成果において、非小児科医の中でも比較的小児診療を行っているような医師でも、児童虐待は小児 人口100人あたり1人が通告されているという非常に頻度の高い事象であるにもかかわらず、本来気付くべき機会に気付けておらず、さらに気付いたとしても適切 に対応が取られていない実態を明らかにした。2019年度は、117名の非小児科医および55名の児童虐待に関わる小児科医の2群に対しプライマリ・ケアで出会う様々なレベルの児童虐待模擬事例を示し、児童虐待の気付きと初動について次の6つの選択肢を示し実態調査を行った:(1)通常の診療を行う、(2)医学的に再診が必要なくても気になるので再診を指示する、(3)保健センターや市町村の窓口に相談する、(4)児童相談所もしくは市町村の窓口に通告する、(5)後方病院の虐待対応組織へ紹介する、(6)小児科医に相談する。(4)-(6)の初動について両群を比較検討した。結果はi)きょうだいがやったと語られた乳児の顔面皮下出血(身体的虐待)、ii)コントロール不良の気管支喘息(医療ネグレクト)、iii)待合での子どもに対するビンタ(身体的虐待)の3つのケースにおいて非小児科医は優位に(4)-(6)の初動が取られていなかった。この結果は、親子分離などの危機対応を要するような重い児童虐待事例では両群とも有意差なく気付き、通告等子どもの安全安心を護るための初動が取られるが、軽症で主に支援的な対応を要する事例に対しては非小児科医の気付き、初動の問題があることが明らかとなった。これらの結果から、非小児科医向けのツールの開発としては、気付き、初動について啓発ツール開発が必要と考えられ、米国で子どもに対する体罰禁止の啓発プログラムとして展開されている”No Hit Zone"および”Play nicely"の2プログラムの翻訳を開始している。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
当初の予定通り実態調査を行い、現在プログラム開発と合わせて、プライマリ・ケアの現場で非小児科医の利用できるツールとして米国で子どもに対する体罰禁止の啓発プログラムとして展開されている”No Hit Zone"および”Play nicely"の2プログラムの翻訳を開始している。
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Strategy for Future Research Activity |
次年度は、過去2年間の調査結果等も踏まえ作成した教育プログラムの効果測定および教育プログラムの構築に合わせて、利用可能なツールとして米国で子どもに対する体罰禁止の啓発プログラムとして展開されている”No Hit Zone"および”Play nicely"の2プログラムの翻訳、ホームページでの公開を行う。
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Causes of Carryover |
次年度は非小児科医向けの教育ツールの作成等にかかる費用が見込みよりも多くなるため、次年度使用額については同開発にかかる費用として使用していく計画である。
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