2020 Fiscal Year Annual Research Report
Cancer Screening System and its Influence to Behavior and Participation Rate: Development of a Quantitative Model for Practical Prediction
Project/Area Number |
18K17321
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Research Institution | Hiroshima University |
Principal Investigator |
恒松 美輪子 広島大学, 医系科学研究科(保), 講師 (80704874)
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Project Period (FY) |
2018-04-01 – 2021-03-31
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Keywords | がん検診 / 利益 / 不利益 / 意思決定 / リスクコミュニケーション / ソーシャルマーケティング / ナッジ理論 |
Outline of Annual Research Achievements |
最終年度は、次の2点を中心に研究を進め、その成果を発表した。 (1)わが国のがん罹患状況を反映させた形での根拠のあるがん検診システムを検討:がん検診の不利益に対する個人の考え方を示す調査データを分析し、検診の不利益の心理的影響がどの程度の生存期間と等価と考えるかを把握した。その結果、がん検診の利益と不利益の認識については、検診による早期発見・早期治療により3年以上の寿命延長効果を期待している人は1,526人(47.0%)であった。一方、検診後の精密検査による精神的不安については、2,600 人(80.1%)が「寿命が 1 年未満延びた場合は受け入れられない」と回答した。ロジスティック回帰分析により、利益と不利益の影響を検討した結果、同じ年数でも利益の方が効果は大きいことがわかった。 (2)女性がん検診の受診と勧奨に関する調査:ソーシャルマーケティングとナッジ理論を活用した受診勧奨方法が、受診行動にどのように影響するかを明らかにするため、全国に住む20~60歳代の女性3,000人を対象にインターネット調査を実施した。質問項目は年齢・職業等の個人属性、受診勧奨メッセージに対する受診希望であった。登録モニター3,249人(45.9±13.5歳)より回答を得た。回答者を、受診意図者(すでに受けようと思っている)、関心者(がんが怖くて検診が不安な層)、無関心者(がんに無関心な層)の3群に分け、未受診者の気持ちに合わせたメッセージ(6種類)による受診希望を5段階で評価した。その結果、受診意図者、関心者についてはメッセージによって受診意欲が増加する傾向を示した。一方、無関心者については、メッセージによる受診意欲の増加傾向を示さなかった。未受診者の特性に応じた効果的な受診勧奨を進めていくには、無関心者が検診に関心を持てるように働きかけることの重要性が示唆された。
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Research Products
(1 results)