2021 Fiscal Year Research-status Report
Analysis of host immunity to permit rubella infection.
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18K17367
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Research Institution | Osaka Institute of Public Health |
Principal Investigator |
上林 大起 地方独立行政法人 大阪健康安全基盤研究所, 微生物部, 主任研究員 (50622560)
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Project Period (FY) |
2018-04-01 – 2023-03-31
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Keywords | 風疹ウイルス / 感染性粒子 / ウイルスRNA量 / ウイルス排泄期間 / 臨床検体(血清/血漿・PBMC・咽頭ぬぐい・尿) / 臨床症状(発熱・発疹・リンパ節腫脹) / 初感染・再感染 / 液性免疫 |
Outline of Annual Research Achievements |
【風疹ウイルスの排泄に影響を与える因子の解析】昨年度までに、風疹と実験室診断された251例から得られた767検体(血清/血漿、PBMC、咽頭ぬぐい、尿)を用いて、各検体に含まれる風疹ウイルス(RuV)のRNA量、感染性粒子の有無を明らかにした。そのデータと疫学データを用いて、ウイルス排泄量と各因子(発症から検体採取までの期間、性別、遺伝子型、臨床症状)の相関について検討した。RuV RNAおよび感染性粒子は、47.4%および16.2%(血清/血漿)、30.3%および3.8%(PBMC)、78.8%および46.9%(咽頭ぬぐい)、52.9%および9.8%(尿)の割合で陽性となった。咽頭ぬぐい中のRuV RNA量の中央値は、血清/血漿、PBMC、尿よりも有意に高かった。RuV RNA量の中央値は、血清/血漿で1日、PBMCで0日、咽頭ぬぐいで8-9日、尿で3日で検出下限値(250copies/mL)以下となった。感染性粒子は、血清で発症から最大2日目、PBMCで1日目、咽頭ぬぐいで8日目、尿で3日目まで分離できた。RuV RNA量は、性別、遺伝子型、症状(発熱・リンパ節腫脹・関節痛)の有無とは相関しなかった(論文投稿準備中)。 【風疹ウイルスの感染及び発症を許容した宿主免疫についての解析】 初感染例と再感染例を分類するために、151例から得られた血清/血漿について抗RuV特異的IgG抗体に着目し解析した。IgG抗体陰性が74例、判定保留が24例、陽性が53例であった。IgG抗体が判定保留若しくは陽性であった77例についてRuV抗原に対する抗体の親和性(Avidity)を測定したところ、low avidityが63例、High avidityが3例、低抗体価による判定不可が11例であった。151例中148例(98%)が初感染であると推測された(論文投稿準備中)。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
新型コロナウイルスの検査対応などにより実施が遅れていたが、「風疹ウイルス感染並びに風疹発症を許容する宿主免疫についての解析」を実施し、研究実績の概要に記載した成果を得ることができた。検体の収集と検査の実施、qPCRの結果の解釈、感染予防と制御法の検討に重要な情報を明らかにすることができたと考えている。
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Strategy for Future Research Activity |
研究実績の概要に記載した内容について論文投稿する。また、今回の研究から生じた課題(風疹ウイルスの体内からの排除に関連する免疫因子に関する解析)及び派生した研究課題について、「ヒト体内における風疹ウイルスと宿主免疫の攻防(21K10432)」にて解析していく。
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Causes of Carryover |
統計解析・英文校正・掲載料などデータ解析や論文作成・投稿に必要な資金を次年度に繰り越す。
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