2022 Fiscal Year Research-status Report
Analysis of host immunity to permit rubella infection.
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18K17367
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Research Institution | Osaka Institute of Public Health |
Principal Investigator |
上林 大起 地方独立行政法人 大阪健康安全基盤研究所, 微生物部, 主任研究員 (50622560)
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Project Period (FY) |
2018-04-01 – 2024-03-31
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Keywords | 風疹 / 風疹ウイルス / ウイルスRNA量 / real-time RT-PCR / 感染性ウイルス / ウイルス分離 / 感染制御 / ウイルス排出期間 |
Outline of Annual Research Achievements |
【風疹ウイルス(RuV)の排出に影響を与える因子の解析】風疹のサーベイランスや診断のアルゴリズムの改善に寄与できる以下の知見を報告した(Kanbayashi et al., J Clin Virol. 2023, 病原微生物検出情報. 2023)。 ①発疹出現後10~13日目以内に咽頭拭い液中のRuV-RNA量の中央値が検出下限値以下になることから、核酸検査を実施する場合、発症後早期に検体を採取する必要がある。 ②発疹出現からの日数が短いほど感染性RuVを排出している可能性が高いことから、発疹出現後速やかに風疹患者を発見して感染伝播を防ぐ必要がある。 ③RuV-RNA量が多くなるにともない感染性RuVが存在する可能性が高くなることから、RuV-RNA量から感染性ウイルスを排出している候補者を推定することで、効率的な感染対策ができる可能性がある。 【風疹と麻疹が否定された症例における病原因子の探索】以下の解析結果から、臨床症状のみで発疹性疾患を鑑別することの難しさ、正確な診断には検査に基づく鑑別が必要であることを示した(Kaida, Kanbayashi et al., J Med Virol. 2023)。 2011~2021年までに風疹又は麻疹が疑われた1356症例のウイルス核酸検査を実施した。その中で、風疹ウイルス、麻疹ウイルスが検出されたのは、それぞれ166症例(12.2%)、167症例(12.3%)で、残りの1023症例(75.4%)の病原因子は不明だった。風疹と麻疹が否定された症例の病原因子を探索する目的で、伝染性紅斑の原因ウイルスであるパルボウイルスB19を対象とした核酸検査を実施した。その結果、検査が実施できた970症例中136症例(14.0%)でパルボウイルスB19が検出された。系統樹解析の結果、型別領域の遺伝子配列を解析できた93株全てが遺伝子型1aに分類された。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
新型コロナウイルスの検査対応などにより実施が遅れていたが、研究実績の概要に記載した成果を得ることができた。しかし、昨年度までに明らかにした再感染の頻度について投稿することができなかった。令和5年度中に学術誌に報告した後に、本研究課題を終了する。
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Strategy for Future Research Activity |
昨年度までに明らかにした再感染の頻度について学術誌に投稿することができなかった。令和5年度中に学術誌に報告し、本研究課題を終了する。
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Research Products
(7 results)