2023 Fiscal Year Annual Research Report
Analysis of host immunity to permit rubella infection.
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18K17367
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Research Institution | Osaka Institute of Public Health |
Principal Investigator |
上林 大起 地方独立行政法人 大阪健康安全基盤研究所, 微生物部, 主任研究員 (50622560)
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Project Period (FY) |
2018-04-01 – 2024-03-31
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Keywords | rubella / rubella virus / clinical manifestation / IgG antibody / avidity / breakthrough infection / immunization gap / surveillance |
Outline of Annual Research Achievements |
研究期間全体を通じて下記の成果を報告した。また、最終年度は、本研究課題の最終目標である「風疹ウイルス感染並びに風疹発症を許容する宿主免疫」に関する成果⑥を学術誌に投稿した。 成果①:風疹輸入症例から検出された風疹ウイルスの遺伝子型を調査し、2017年のインドネシアでの流行株を「逆探知」した(Kanbayashi et al., Emerg Infect Dis. 2018)。成果②:2017年の大阪市内における手足口病流行について解析し、コクサッキーウイルスA6が主要な原因ウイルスであることを明らかにした(Kanbayashi et al., Jpn J Infect Dis. 2019)。成果③:風疹ウイルスの排出に影響を与える因子を解析し、風疹のサーベイランスや診断のアルゴリズムの改善に寄与できる知見を報告した(Kanbayashi et al., J Clin Virol. 2023, 病原微生物検出情報. 2023)。成果④:風疹と麻疹が否定された症例における病原因子の探索を行い、臨床症状のみで伝染性紅斑と麻疹並びに風疹を鑑別することの難しさ、正確な診断には検査に基づく鑑別が必要であることを示した(Kaida, Kanbayashi et al., J Med Virol. 2023)。成果⑤:2018年から2019年の風疹の流行について解析し、海外から風疹ウイルスが持ち込まれ、国内の感受性集団の間で感染が拡大した可能性があることを明らかにした(Kanbayashi et al., WPSAR.2020)。成果⑥:1982年からの風疹と先天性風疹症候群の疫学解析を行い、免疫ギャップが埋められない限り将来の風疹流行や先天性風疹症候群の発生を抑止できないことを明らかにした。また、ワクチン1回接種世代の女性においてbreakthrough infectionと考えられる症例が認められたこと、1回のワクチン接種歴のある女性から先天性風疹症候群の患児が報告されたことから、完全に風疹や先天性風疹症候群を抑止するためには、ワクチンの2回接種が必要であることを明らかにした(The Journal of Infectious Diseases誌 in revision)。
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Research Products
(14 results)