2022 Fiscal Year Research-status Report
在宅療養児の母親と訪問看護師のニーズを反映したNICU退院支援プログラムの開発
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18K17454
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Research Institution | Gunma Prefectural College of Health Sciences |
Principal Investigator |
久保 仁美 群馬県立県民健康科学大学, 看護学部, 講師 (70813187)
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Project Period (FY) |
2018-04-01 – 2024-03-31
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Keywords | NICU / 退院支援 / 地域移行 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究の目的は、NICU退院後の児をもつ母親と訪問看護師へのインタビュー調査をとおして、NICU退院時や在宅療養開始時における子どもと家族のニーズや困難および訪問看護師の退院支援に対するニーズを明らかにすることである。 R4年度の研究実施計画は、インタビュー調査を終え質的帰納的な分析を実施し論文化することであった。しかし、私自身が業務との調整を行うことができず、目標とした半数程度のデータ収集にとどまっている。5名のインタビュー内容をデータとし、データから研究の問いである「NICUの退院準備期において訪問看護師が実践した退院支援内容」を抽出し、質的記述的に分析した。結果、78記録単位から46コードが形成され、今後さらに抽象化に向けて分析を続ける。コードは、「児の疾患に関する情報収集」「児の身体状態に関する情報収集」「両親の医療的ケアの獲得状況に関する情報収集」「発達を促すケアの検討」「家族の子育て観に沿う」「かかりつけ医への確認」「後方支援病院に一報しておく」「関係構築の第一歩としてのコミュニケーションを図る」「医療機器の安全な取り扱い操作の習得」「住宅環境や在宅療養に合致するケアの検討」「両親だけなく家族関係について知る機会を得る」等がある。今後はインタビューデータを増やし、収集したデータよりNICU退院支援における訪問看護師のニーズを明らかにすることとする。 また、今年度はNICU看護師の退院支援における困難に関する文献を収集した結果、NICU看護師が医療的ケア児の退院支援に困難を認識しているほか、退院前訪問の制度を利用することが、日勤帯の看護師の不足・時期が不明確・病院としてのルールが整っていないことにより困難であることが明らかになった。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
4: Progress in research has been delayed.
Reason
当初計画より遅れを生じている原因として、研究者自身の業務と研究に費やす時間の調整ができなかったことが挙げられる。また、インタビュー調査方法を再検討したことが挙げられる。感染拡大の影響により、対面での調査が困難となったため、協力施設の追加選定・依頼に時間を要した。 次年度は、まず、現在進行中である訪問看護師へのインタビュー対象者数を増やすともに、得られたデータを質的帰納的に分析し抽象度を高め、この内容を反映し退院支援プログラムの作成を行う。
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Strategy for Future Research Activity |
今年度は、NICUを退院した児をもつ母親と訪問看護師のインタビュー調査を終了し、インタビュー内容を質的帰納的に分析し論文化を進める。 退院支援プログラムを作成については、2019年に公益社団法人 日本看護協会よ「NICU/GCUにおける小児在宅移行支援パスと教育プログラム」が発表されている。このプログラムを基に、本研究で得られたデータおよび論文・関連書籍から得たエビデンスを反映させることとする。
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Causes of Carryover |
令和4年度は、インタビュー調査対象者(NICUを退院した児をもつ母親と訪問看護師)への調査協力謝金として支出する。 また、インタビュー内容のテープ起こしを外注しデータとする。さらに、発表にかかる旅費や、論文執筆時に必要な抄録の英文翻訳・校正費として支出する。
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