2019 Fiscal Year Research-status Report
放射性皮膚障害に対する補完代替医療材料洗浄剤を用いたケア効果のメカニズム解明
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18K17460
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Research Institution | Niigata University |
Principal Investigator |
柿原 奈保子 新潟大学, 医歯学系, 准教授 (50588762)
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Project Period (FY) |
2018-04-01 – 2022-03-31
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Keywords | 看護技術開発 / 補完代替医療材料 / 照射性皮膚 / 治癒促進 / 自然治癒力 / 放射線看護 / メカニズム解明 |
Outline of Annual Research Achievements |
現在までに、照射をする前段階として、放射後のケアに使用する補完代替医療材料を再検討している。地域の特性も活かしたものを探す狙いもある。 どの材料を用いたら最も効果が出るかを検証する必要が生じている。このために新たに、細胞培養を用いた生化学的手法を取り入れた。マウスの皮膚細胞を用いて、照射ケアに使用を検討している「米ぬか」「酒粕」「馬油」「椿油」「オリーブオイル」などの効果を、まずはじめに細胞レベルで確認することには、マウス実験での3Rを避ける狙いがある。 現在のところ、培養した細胞に対する補完代替材料の効果をみるには、その材料自体の希釈濃度を調整している段階であり、効果がありそうな材料であっても高濃度すぎると、かえって毒性がでてくることが確認されている。今後も希釈濃度や材料を試行錯誤しながら調整していく予定である。 また、これらのケアを開始する時期についても、申請時には照射を開始してからケアも開始するようにしていたが、予防的に照射を開始する前から補完代替的な使用をしていくことで、皮膚障害の悪化を予防できる可能性がある。 またこれらの研究と並行して、米ぬかパックがどの程度の効果があるのか、健康な人の手洗いによる実験を行った。アルコール消毒による皮膚荒れに対して保湿剤をアルコール消毒の都度(10分間に1回の手指アルコール消毒をして8時間なので、1日あたり48回)使い続けることと比較検討として、1日1回の10分間の米ぬかパックだけで同等の保湿作用があることがわかった。米ぬかパックと酒粕パックの効果の差も調査しているところである。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
新しく細胞培養を用いた細胞レベルでのケア効果のメカニズム解明に取り組み始めたことで新たに、効果判定について様々な可能性を検討している段階である。動物実験については、実施可能な段階にあるが、COVID-19の影響で実験に必要な医療材料が不足していることから新規の動物実験を自粛するようになっている。そのため自粛解除になるまで待機している。
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Strategy for Future Research Activity |
細胞培養実験では正常皮膚モデルだけでなく乳癌皮膚モデルを用いることにより、補完代替材料の効果判定を検証していく。このことは、本研究の結果が、実際の臨床看護ケアにより近い状態となりつながっていくことになると考えている。
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Causes of Carryover |
本学では統計ソフトが大学一括での使用となっておらず、転職により新たに統計ソフトの購入が必要となっている。申請計画に加えて、新たな研究手法として細胞培養を取り入れたことから、それらの実験経費が必要となった。
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