2021 Fiscal Year Annual Research Report
Elucidation of the Mechanism of Care Effectiveness Using Complementary and Alternative Medicine Material Detergent for Radiation Skin Damage
Project/Area Number |
18K17460
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Research Institution | Niigata University |
Principal Investigator |
柿原 奈保子 新潟大学, 医歯学系, 准教授 (50588762)
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Project Period (FY) |
2018-04-01 – 2022-03-31
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Keywords | 放射線皮膚障害 / フラボノイド / セリシン / 予防的効果 / 修復促進効果 / 放射線看護のエビデンス / 放射線皮膚障害のケア / 抗酸化 |
Outline of Annual Research Achievements |
放射線照射すると皮膚では皮脂腺・汗腺の感受性が高いため症状としてドライスキンになることから,予防的ケアとしても治癒を促進するためのケアとしても,従来の保湿剤を使用する対症療法に頼っているのが現状である. 本研究では,放射線照射により惹き起こされる皮膚障害のメカニズムに着目したうえで,放射線皮膚炎に適応した皮膚ケアの材料を探すことを最大の課題であった.放射線が細胞を障害するメカニズムは,放射線によってフリーラジカルが生じることや細胞核内のDNA損傷により放射線照射が一定量を越えると細胞の分裂死により基底細胞と有棘細胞の分裂が停止することである. そのため,ケアをすることによって保湿効果だけでなく,皮膚細胞に対する抗酸化作用や細胞修復効果があることが求められる. 本研究課題での実績としては,まずマウスに対して照射し,実際の放射線療法と同じような皮膚障害状況を作成したいと考えたが,実際には,マウスの体格が小さいことから使用した動物実験用のX線照射機器では部分的皮膚障害よりも先に骨髄抑制が生じてしまい,動物実験の3Rの観点から断念した. そこで,細胞実験に切り替え,マウスの皮膚繊維芽細胞に対して放射線照射を行い,皮膚障害を惹起した.当初マウスでの実験で予定していた酒粕や米ぬかといった材料での予防修復効果を調査したが,効果がみられなかった.ほかの材料を探す必要が生じ,様々な物質での検討をし,繭には紫外線防止効果があることから繭のセリシン成分に着目した.なかでもフラボノイドを多く含むみどり繭に放射線照射による皮膚障害を予防したり修復を高めたりする効果があることを発見した.
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