認知症高齢者グループホームにおけるフィジカルアセスメントを用いた看護と介護の協働

2018 Fiscal Year Research-status Report

• Project/Area Number: 18K17474
• Research Institution: Setsunan University
• Principal Investigator: 佐久間 夕美子 摂南大学, 看護学部, 准教授 (70451937)
• Project Period (FY): 2018-04-01 – 2022-03-31
• Keywords: 認知症 / 高齢者 / グループホーム / フィジカルアセスメント / 協働 / BPSD

Outline of Annual Research Achievements

本研究は、認知症高齢者グループホームの管理者及び介護職、看護職を対象に、入居者のフィジカルアセスメント及びBPSDの観察における情報共有の現状と課題を明らかにしたうえで、情報共有ツールを開発することを目的としている。
平成30年度は、情報共有ツールの開発の基盤となる認知症高齢者グループホームの現状、協働の困難感、処置やケアの実施状況及びBPSDの頻度、看護職・介護職の情報共有の実態、入居者の健康状態等の関連を再検討する目的で、過年度実施した認知症高齢者グループホームにおける介護・看護の協働に関する調査結果の再分析を行った。これらを研究報告書としてとりまとめ、送付を希望した124事業所の管理者宛に配布・周知を行った。これと並行し、認知症高齢者グループホームにおけるフィジカルアセスメントの実施状況及びBPSDの頻度、看護職・介護職の情報共有の実態等に焦点をあて、複数の施設を対象としたインタビュー調査の準備を行った。現在、協力施設との調整及び倫理審査の手続きを早急に進めており、年度内の調査実施を予定している。また、収集したデータの再分析及び国内外における文献検討の結果、認知症高齢者グループホームの個別性の高さが明らかとなり、一方で認知症高齢者の健康状態に関する情報共有方法として、情報共有シートの有効性とその活用方法に関する課題も推察された。これらの結果から、認知症高齢者グループホームの多様性に対応した情報共有ツール開発のため、インタビュー調査によって得た知見をさらに分析検討し、次段階として質問紙調査も計画に組み入れる必要性が生じた。本年度実施した文献検討の結果は、今後学会発表及び学術雑誌への投稿を行ってゆく予定である。

Current Status of Research Progress

3: Progress in research has been slightly delayed.

Reason

平成30年度中にインタビュー調査を計画していたが、過年度収集したデータの再分析と文献検討の結果、研究計画の再検討の必要性が生じた。また、研究報告書の取りまとめと送付に時間を要し、調査対象施設及び調査対象者の選定、調査準備等に遅れが生じた。

Strategy for Future Research Activity

令和元年度内に、現在手続きを進めているインタビュー調査を実施する。インタビュー調査によって得た知見を分析・検討し、その結果を元に調査項目を精選し、自記式質問紙調査票を作成する。また、質問紙調査を研究期間に組み入れることによる計画のズレを調整し、年度内での調査実施を目指す。

Causes of Carryover

本年度内は、主に収集済みのデータの再分析と文献検討、調査準備に取り組んでいたため、支出額が少額となったが、令和元年度以降は研究計画に沿って支出が生じる予定である。