2020 Fiscal Year Research-status Report
The development of an educational program for developing nurses negotiation-competency with the people with schizophrenia living in a community
Project/Area Number |
18K17512
|
Research Institution | University of Kochi |
Principal Investigator |
藤代 知美 高知県立大学, 看護学部, 准教授 (60282464)
|
Project Period (FY) |
2018-04-01 – 2022-03-31
|
Keywords | 交渉 / 統合失調症 / 合意形成 / 地域移行支援 / 地域生活継続支援 |
Outline of Annual Research Achievements |
2020年度の目標は、作成した教育プログラムを洗練化することであった。 教育プログラムはアンドラゴジーモデルを理論的基盤とし、精神科看護経験4年目以上の看護師を対象として作成した。タイトルは「統合失調症をもつ人の地域生活を支えるための『交渉スキル』習得プログラム~意向のずれの解消に向けて~」であった。プログラムの目的は、看護師と統合失調症をもつ人との間にある意向のずれを解消し、統合失調症をもつ人が、地域生活を開始したり、地域生活を維持することを促進することであった。プログラムは、交渉において必要な配慮、5つの交渉スキル、交渉に関連して必要な能力の3部で構成し、事例を用いて学修した内容を活用できるようにした。 このプログラムを洗練化するために、修士課程修了生と現任教育に関わる看護師11名を対象とし、自記式自由記述式のアンケートを実施した。アンケートは、①プログラムの内容と対象者の適切性および改善点、②プログラムの構成及び内容の適切性および改善点、③検討事例の適切性および改善点について問うものであり、8名のアンケートを回収した。 アンケートを基に、精神看護における“交渉”の位置づけと目的が理解できるよう、プログラムのタイトルを「統合失調症をもつ人の地域移行・地域生活継続を支えるための『交渉スキル習得プログラム』」に変更した。同様に、目的を、対話や話し合いを重ねても、健康で安全に生活する方法が選択されにくい統合失調症をもつ人と、看護師との間にある意向のズレを解消し、協働関係の基、地域生活移行や地域生活定着とを促進するための交渉スキルを習得することとし、4年目の看護師が“交渉”をイメージしやすいように、テキストにイラストや4コマ漫画を挿入した。また、交渉において必要な配慮については、配慮を行うために必要なアセスメントが理解できるよう、再構成した。今後は、プログラムの評価を実施する。
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
テキストの完成が予定より1か月ほど遅れているものの、概ね完成しており、プレテストの準備を進めている。新型コロナウイルス感染症の流行によっては、プログラム評価に時間がかかることも考えられるため、やや遅れているものと考える。
|
Strategy for Future Research Activity |
作成した教育プログラムのプレテストを実施後、精神科看護経験4年目以上の看護師を対象として、プログラムを実施し、評価する。 新型コロナウイルス感染症の流行状況によっては、オンラインにてプログラムを実施し、研究を遂行する。
|
Causes of Carryover |
初年度の研究計画を変更したため、当該年度当初より繰越金が発生していた。それに加え、当該年度の計画が1か月ほど遅れたことにより、テキストに挿入するイラスト代の支払いが遅れ、結果として今年度予算を少し繰越すこととなった。
|