2021 Fiscal Year Research-status Report
The development of an educational program for developing nurses negotiation-competency with the people with schizophrenia living in a community
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18K17512
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Research Institution | University of Kochi |
Principal Investigator |
藤代 知美 高知県立大学, 看護学部, 准教授 (60282464)
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Project Period (FY) |
2018-04-01 – 2023-03-31
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Keywords | 交渉 / 統合失調症 / 地域生活移行・定着 / 教育プログラム |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究の目的は、統合失調症をもつ人の在宅生活を支援するために看護師に求められる交渉コンピテンシーを教育するためのプログラムを開発することである。 前年度までに、精神科臨床経験4年目以上の看護師を対象とし、アンドラゴジーモデルを理論的基盤として、紙上事例を用いて演習を行う3回からなるプログラムを作成し、洗練化した。最終年度であった2021年度は、前年度に洗練化したプログラムを評価することを目標とした。 2021年4~6月は、3名の看護師を対象としてプレテストを実施し、時間配分などの調整を行った。 2021年9月以降、4施設に研究協力を打診し、研究協力に承諾が得られた1施設にて、5名の看護師を対象として教育プログラムを実施した。プログラムは、5つの交渉スキルに含まれる16の具体的スキルを習得することを主たる目的としている。毎回、紙上事例を用いて理解状況を評価するとともに、内容の理解、効果の理解、プログラム前のスキルの活用の程度、今後スキルを活用する自信について、5段階リッカートスケールを用いて問うアンケートを実施した。また、全プログラム実施1か月後に、実践におけるスキルの活用状況を確認するグループインタビューを実施した。 1か月後のグループインタビューに参加した4名より、のべ12のスキルを活用していることが語られた。全員が活用したのが【本音と可能性を追求する】スキルに含まれる具体的スキル〔腰を据えて率直に思いを聴く〕であり、次に3名が具体的スキル〔対象者の目線で捉え、“本当の希望”を汲み取る〕を活用した。その他、〔自我のもろさに寄り添う〕〔客観的視点でニーズを読み取り、見通しを立てる〕〔根回しする〕〔いったん添う〕スキルが活用されたことが分かった。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
プレテストを実施し、教育プログラムを調整した。その後、新型コロナウイルス感染症の度重なる流行により、大学教育を行いながら、3回のプログラム実施に協力できる施設を得ることが難しく、プログラムの評価が遅れた。
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Strategy for Future Research Activity |
現在の社会情勢において、3回のプログラムに参加できる協力者を得ることは極めて困難であると予測される。今後は、本プログラムを個人で習得できるようプログラムを改変する。
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Causes of Carryover |
新型コロナウイルス感染症の感染が落ち着いている時期にプログラムの実施を計画し、遂行することが難しかったため、プログラム実施のための旅費や謝金、データ分析のための費用を使用できなかった。次年度は、個人で習得できるようプログラムを改変し、教材作成費を使用する。
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Research Products
(2 results)