2019 Fiscal Year Research-status Report
遠隔地在住のため面会が困難な母親への愛着形成ツールの開発
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18K17560
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Research Institution | Kagoshima University |
Principal Investigator |
田中 一枝 鹿児島大学, 医歯学域医学系, 助教 (00806804)
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Project Period (FY) |
2018-04-01 – 2021-03-31
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Keywords | NICU / 愛着形成 / 遠隔地 / 模擬面会 / 母親 / 思い |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究では、離島などの遠隔地に居住する等の物理的な問題により面会を制限されるNICU患児の家族に対して、インターネット環境を通じて子どもの様子を見る(疑似面会)することができ、テキスト等での医療者とのコミュニケーション(疑似交換ノート)がとれるFCCのケアのツールを開発すること、普段使用されている日記帳と結果を比較し、模擬面会・交換ツールの特徴を明らかにすることを目的に調査を行っている。2019年度においては、模擬面会・交換ツールと日記帳を利用し、両方の対象者にインタビュー調査を行った。日記帳利用者対象者の結果は7名であった。対象者の年齢は20歳代から30歳代であった。初産婦が2名、経産婦が5名であった。入院期間は、平均25.43日であった。自宅からNICUまでの所要時間は平均120分であった。NICUに入院した児に対して日記帳を利用した母親の思いとしては「空白の時間を埋められて心を前に押してくれた」「看護者の寄り添いに感動した」「自分の余裕がない中で子どもの記録として残してくれた」「子どもに自身の頑張りと周囲への感謝を伝えたい」「細かい子どもの特徴を知りたい」などの結果が抽出された。模擬面会・交換ツールにおいては、9名インタビュー調査を終えており、現在分析中である。模擬面会・交換ツールにおいてはリアルタイムに情報交換が行えることが特徴として違いがあり、日記帳との相違点が見られている。本研究においては、NICUに入院している児に対しての愛着形成が阻害されないよう、母親とのコミュニケーションツールとして日記帳または模擬面会・交換ツールの必要性が考えられ、日記帳においては、記念品または子どもが成長した後にも利用できるツールであるとの結果があり、リアルタイムに情報交換が行える模擬面会・交換ツールにはまた異なる意義があると考えられる。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
現在質的調査については進んでいるが、NICUに入院し、遠隔地在住という対象者があまり多くないことや、対象者の入院期間の延長などにより遅れている。
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Strategy for Future Research Activity |
入院してくるNICU児に対してもれなく研究協力をお願いできるようにスタッフとの共同を図る。今回質的研究が終了したのち、アンケート変更を行い調査のみ行うこととしていたが、対象者自体が減少しつつあるので、このまま同じアンケートを続行し、その結果を報告することとする。
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Causes of Carryover |
年度末に開催予定であった学会が新型コロナウイルスの影響で無くなったりしたことから旅費などが使用できなかった。2020年度は学会投稿を中心とし使用していく。
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Research Products
(1 results)