2020 Fiscal Year Research-status Report
認知症カフェにおける市民ボランティアの体験と認知症の理解
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18K17600
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Research Institution | University of Yamanashi |
Principal Investigator |
菅沼 真由美 山梨大学, 大学院総合研究部, 講師 (50597028)
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Project Period (FY) |
2018-04-01 – 2022-03-31
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Keywords | 認知症 / 市民ボランティア / 認知症カフェ |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究の目的は、「認知症カフェ(以下カフェ)」に参加しているボランティアが認知症を正しく理解し、適切なかかわりができるための支援方法を検討するために、ボランティアのカフェ参加前後の認知症に対する認識、認知症の人と家族への対応への認識を明らかにすることである。 Y県内の2か所のカフェに参加するボランティア10名に、インタビューガイド「カフェ参加前後の認知症の理解と認知症の人と家族への接し方」にそって半構造化面接を実施した。逐語録を作成し、カフェ参加前後における認知症の理解、認知症の人と家族への接し方に関する記述を意味のあるまとまりで抜き出し、質的記述的に分析した。現在、カフェ参加前後の認知症と認知症の人への対応について抽出したコード・サブカテゴリ・カテゴリについて、研究者間で合意が得られるまで検討をしている。 得られた結果について、カフェにおいて、日常的な場で認知症の人や家族と直接関わることが、正しく認知症を理解し認知症の人への接し方を学ぶことができているのか、また、認知症に対する偏見をなくし認知症になっても暮らしやすい地域をつくるきっかけとなっているかを考察する。 さらに、カフェの開催状況は、全体の76.8%が月に1回、平均2時間20分の実施である(認知症介護研究・研修センター,2018)ことが報告されている。限られた時間で、認知症の人や家族と関わる時間は少なく、ボランティアが認知症の人や家族との接し方を学ぶことは容易でない。そのため、短時間で効果的に認知症や認知症の人への対応が学べる方法を考察する。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
4: Progress in research has been delayed.
Reason
以下の3点が、研究の進捗状況の遅れの原因である。 1.2020年度は、新型コロナウイルス感染症感染拡大のため、認知症カフェが開催されず、研究参加者のリクルートおよびデータ収集をすることができなかった。新型コロナウイルス感染症発症前後で、開催方法が3密を防ぐため形式が変更した。研究計画書では、より多くの研究参加者にインタビューをする予定であったが、参加者の認知症の理解や対応の仕方も変わるため、感染症発症前のカフェにおける調査として分析することとした。 2. 教育では、オンライン授業の準備・対応や感染予防に配慮した実習指導に時間が必要であり、研究分析のための時間の捻出が困難であった。 3.データ分析では、県外への移動制限があり、研究者間で会議時間がとれず、分析内容を検討することに支障があった。
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Strategy for Future Research Activity |
今年度は、研究論文の投稿をする。オンライン授業や感染予防に配慮した実習指導にも 慣れたため、授業・実習のない期間を活用して、研究分析や論文作成を勧めていく。研究者間の検討は、オンライン会議を活用して進める。
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Causes of Carryover |
新型コロナウイルス感染拡大に伴い、研究参加者の減少し、データ収集のための交通費や研究参加者への謝礼費が減少した。さらに、オンライン学会のため、交通費、宿泊費が必要なくなった。研究データの入力は、研究者自身で行ったため、謝礼が必要ではなくなった。
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