2021 Fiscal Year Research-status Report
Project/Area Number |
18K17619
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Research Institution | International University of Health and Welfare |
Principal Investigator |
川村 崇郎 国際医療福祉大学, 成田看護学部, 講師 (50782611)
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Project Period (FY) |
2018-04-01 – 2023-03-31
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Keywords | 低血糖 / 糖尿病 / 高齢者 / 体験 / テーマ分析 |
Outline of Annual Research Achievements |
2019年度までに、当初の研究計画通り、糖尿病を有する高齢者へのインタビュー調査による情報収集と分析を行った。研究の結果については、論文化して学会誌へ投稿し、また、学会発表も完了している。以上のプロセスを経て、当初の研究計画としては、おおむね研究目的の達成に至ったと判断している。研究結果として得られた概念《自己肯定感を伴う低血糖のコントロール》は、糖尿病をもつ高齢者が本来望ましくない低血糖に関連した問題を経験しながらも、自己のコントロールに関して肯定的感情を抱くことを示唆する可能性があり、糖尿病看護において新規性の高い概念と考えられた。しかし、このような概念は糖尿病教育においてどのような活用可能性があるのかということは十分に明らかにできていなかった。そこで、本来の研究計画を発展させる形で、本研究で得られた《自己肯定感を伴う低血糖のコントロール》という一種の自己肯定的な心理状態について、さらに調査する必要があると考え、先行研究を精査したり、学会等への参加を予定していた。 しかし、2020年度に引き続き、新型コロナウイルス感染症の影響に伴い、研究活動の時間や機会が制限される結果となった。一部、先行研究をもとに文献検討することはできたが、対面による学会等への参加の機会は制限され、本研究で得られた結果が実際の糖尿病教育や診療の場面でも観察されうるものであるのかということは、十分に調査するには至らなかった。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
既に研究結果を論文化して投稿し、学術集会においての発表にも至ったことで、当初の研究目的はおおむね達成に至ったと考えている。その点ではおおむね順調に進展していると評価できる。一方で、当初の研究計画を発展させ、本研究で得られた《自己肯定感を伴う低血糖のコントロール》という概念について、その実態や活用可能性等を調査し、考察を深めるということについては、対面での学会参加等が制限されていることなどから十分に実施できていない。低血糖のコントロールに関連した自己肯定的な心理状態を、実際の糖尿病教育の場面でどのように活用し得るのか示唆を得るためには、文献検討や学会参加などからさらに考察を深める必要があると考える。
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Strategy for Future Research Activity |
2022年度も引き続き、本研究で得られた《自己肯定感を伴う低血糖のコントロール》という概念について、糖尿病教育においてどのような活用可能性があるのか、考察を深めていく。 具体的には文献検討や学会参加等を予定しているが、特に学会参加等を通して実際に糖尿病患者への教育的支援にあたる医療従事者からアドバイスを得ることで、このような自己肯定的な心理状態を糖尿病患者への教育的支援の場で活用し得るものか検討する。
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Causes of Carryover |
2021年度は新型コロナウイルス感染症による影響で、対面での学会参加が困難となり、旅費等の支出がなかった。 2022年度は、《自己肯定感を伴う低血糖のコントロール》という概念について、実際の糖尿病教育においてどのように活用し得るのか示唆を得て、考察を深めていく予定である。そのため、先行研究のレビューを継続するとともに、対面の学術集会への参加等を通して、実際に糖尿病患者へ教育的支援を実践する医療従事者からアドバイスを得ることを予定しており、これらに研究費を使用する予定である。
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