2018 Fiscal Year Research-status Report
介護初期における家族介護者向けの認知症ケア教材の改良と実用化に向けた実証研究
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18K17641
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Research Institution | Toyama Prefectural University |
Principal Investigator |
青柳 寿弥 富山県立大学, 看護学部, 講師 (40622816)
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Project Period (FY) |
2018-04-01 – 2022-03-31
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Keywords | 認知症 / 家族介護者 / 教材開発 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究の当該年度の目的は、2013-2016年度の若手研究B及び博士論文の研究で得られたデータに基づいた評価項目を再分析し、認知症ケア教材(Ver.1)の精錬を行なうことである。尚、教材開発過程の5段階(初期分析、設計、開発(制作)、実施、評価)のうち、初期分析と再設計までを行なうこととしている。 本年度は、①前研究で得られた家族介護者から得られたインタビュー内容から、「介護初期の家族介護者が認知症介護で抱く困り事、不安等の様相」について再分析を行った。その結果、家族介護者は、介護の場面だけに限らず認知症高齢者との生活場面において、様々な疑問や不安に直面していること、先のことも不安に抱えつつも、今の疑問を解消したいという気持ちが強く現れていることが明らかになった。②①の様相を踏まえ、前研究で得られた実証データの教材開発過程に沿って整理し、修正検討項目と新規検討項目に分類した。修正検討項目として、内容面においては、5項目(サービス内容の提示方法の修正、専門用語の修正など)、機能面においては3項目(音声のコントロール機能の修正など)が抽出された。新規項目では、内容面においては、3項目(コミュニケーションの要点の例の追加など)、機能面においては、3項目(ビデオのコントロール機能の追加など)であった。③現在②で得られた新規検討項目について、先行研究による初期分析を行なっている段階である。④現在、③までの教材作成内容の再構築と並行して、教材内容の設計の終了後、早期にアプリケーションへアップデートができるよう、2019年度に行う予定であったアプリケーションの再構成をを行っている。アプリケーションの再構成には、家族介護者が認知症ケア教材を使用する際の学習履歴のデータを収集できるようにログ機能を追加した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
当初の平成30年度の目的は、前研究で得られたデータに基づいた評価項目を再分析し、認知症ケア教材(Ver.1)の精錬を行なうことである。具体的には、前研究の実証データから、新規追加項目と修正項目を明確にし、教材の再設計内容を整理することである。しかし、認知症ケア教材に新たに追加する項目内容の初期分析に時間を要しており、当初の計画よりやや遅れている。
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Strategy for Future Research Activity |
2019年度は、2018年度に行なった初期分析・再設計をもとに、認知症ケア教材(Ver.2)を製作し完成させることが次年度の前半までの計画である。2018年度の計画が当初の予定より遅れているため、2019年度の後半まで教材製作に時間を要する可能性がある。しかし、2018年度から初期分析・再設計に並行して、アプリケーションの再構成を行っているため、教材の再設計を終了した後、早期にアプリケーション化が可能となり、その後の家族介護者への効果検証へとスムーズに実施できると考える。 ①新規追加項目を教材内容に追加するための初期分析を行う。 ②教材内容を再設計する。 ③教材機能面の修正項目と新規項目を教材媒体に追加修正を行う。 ④②、③に基づき教材製作を行う。
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Causes of Carryover |
認知症ケア教材の追加項目内容の作成がやや遅れているため、再製作費用を使用することが出来なかった。現在、追加項目内容の初期分析の最中であり、まとまり次第、教材内容の再製作を行う予定である。
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