選択的注意機能の評価における新規文字検出課題の作成

2018 Fiscal Year Research-status Report

• Project/Area Number: 18K17754
• Research Institution: Sapporo Medical University
• Principal Investigator: 齊藤 秀和 札幌医科大学, 保健医療学部, 助手 (70610369)
• Project Period (FY): 2018-04-01 – 2021-03-31
• Keywords: 注意機能 / 神経心理検査 / 眼球運動計測

Outline of Annual Research Achievements

本研究の目的は、ヒトを対象として、新たな注意機能検査課題の検討およびその課題遂行中における視線運動の特性を明らかにすることである。本研究では、形状は類似しているものの他と異なる文字を検出する課題（文字検出課題）を新規に作成し、その課題実施におけるパフォーマンスと従来の注意機能検査課題との違いを比較検討する。併せて、文字検出課題の遂行中における視線運動の特徴を明らかにし、臨床での検査バッテリーおよびリハビリテーション方法への応用を目指す。本研究計画では、以下の２段階で計画を進める予定である。段階１）健常者にて文字検出課題を施行し、課題遂行に要する時間を計測する。併せて、臨床で使用されている注意機能の評価課題を行い、今回実施する文字検出課題との関連性について明らかにする。段階２）段階１にて作成した文字検出課題を遂行する際の眼球運動を計測し、類似した対象物からの探索を行う際の傾向を解明する。
本年度の成果として、以下の３点が実施できた。①机上で使用可能な文字検出課題を新規で作成した。②作成した文字検出課題および臨床で使用されている注意機能評価課題を健常者に施行し、被験者７名のデータを取得した。③文字検出課題実施中の眼球運動計測を行うため、機器セッティングの調整を行った。以上のように、本年度はデータ収集と眼球運動計測準備を行うことができた。
次年度は、文字検出課題のデータ取得を継続して行うとともに、文字検出課題実施中の眼球運動計測・解析を行い、類似した対象物からの探索を行う際の視線運動の特徴を検討する。

Current Status of Research Progress

3: Progress in research has been slightly delayed.

Reason

本年度は、下記３点を実施できた。①机上で使用可能な文字検出課題を新規で作成した。②作成した文字検出課題および臨床で使用されている注意機能評価課題を健常者に施行し、被験者7名のデータを取得した。③文字検出課題実施中の眼球運動計測を行うため、機器セッティングの調整を行った。
文字検出課題のデータ取得が開始でき、データが蓄積されてきている。一方で、眼球運動計測は機器セッティングの調整に留まり、計測を開始するまでには至らなかった。したがって、やや遅れていると判断した。

Strategy for Future Research Activity

次年度は、文字検出課題のデータ取得を継続して行うとともに、本年度実施することができなかった文字検出課題実施中の眼球運動計測を実施する。計測と併せて解析を行い、類似した対象物からの探索を行う際の視線運動の特徴を検討する。またデータ取得ができ次第、学会発表および論文執筆を進め、文字検出課題の有用性を社会に提示していきたい。

Causes of Carryover

本年度は、文字検出課題のデータ取得を開始できたが、予定している被験者数のデータ取得は完了できず、また当初予定していた眼球運動計測はまで研究が進捗しなかった。次年度は、追加で文字検出課題のデータ取得、文字検出課題実施中の眼球運動計測および解析作業を行う予定であり、これらを実施するための関連機器および備品を購入するため、費用を次年度に繰り越すこととした。