2018 Fiscal Year Research-status Report
高脂肪食摂取が運動中の脂質代謝および骨格筋・肝臓グリコーゲン濃度に及ぼす影響
Project/Area Number |
18K17816
|
Research Institution | Tenri University |
Principal Investigator |
岩山 海渡 天理大学, 体育学部, 講師 (30781249)
|
Project Period (FY) |
2018-04-01 – 2020-03-31
|
Keywords | 不飽和脂肪酸 / グリコーゲン |
Outline of Annual Research Achievements |
当該年度は、運動前の高脂肪食が骨格筋および肝臓グリコーゲン消費を抑制するか検討することを目的とした。従来から持久性運動前は高糖質食が推奨されてきたが、高脂肪食を摂取する方がグリコーゲンの消費を節約することができ、エネルギーの観点で有利であるとの仮説を立てて研究を行った。 第1四半期は、外見の先入観を排除するための試験食作りに取り組んだ。外見に差がなく、成分が異なる(高糖質、高飽和脂肪酸、高不飽和脂肪酸の3種)試験食を作成し、専門機関による成分分析を依頼した(外注)。3種のうち1種の試験食は想定していた量の成分が検出されず、材料を再考して再度分析を依頼したが、実験開始時期に影響するほどの遅れにはつながらなかった。 第2四半期から被験者を募り、実験に取り掛かることができた。実験は各被験者が3試行の測定を行った。各試行では乳酸性作業閾値の95%に相当する速度で60分間のトレッドミル走を行ってもらい、その3.5時間前に3種(高糖質、高飽和脂肪酸、高不飽和脂肪酸)のうちいずれかの試験食を摂取した。運動の前後に炭素磁気共鳴分光法(13C-MRS)によって肝臓および下腿三頭筋のグリコーゲン濃度を測定し、運動によるグリコーゲン利用を評価した。 運動中の呼吸交換比は高糖質食摂取よりも高飽和脂肪酸および高不飽和脂肪酸摂取の方が低かった。今後は13C-MRSの測定結果の解析を進めていく。本研究の結果から高脂肪食摂取によって運動中のグリコーゲン利用が抑制されることが明らかになれば、持久性運動種目における終盤のエネルギー枯渇問題を解消し、高いパフォーマンス発揮を維持することにつながることが期待できる。
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
当該年度内にすべての実験を終える計画で被験者および研究設備の予定を調整していたが、研究代表者が病気による入院および加療が必要な状況となったことから一部の実験課題を延期したため、当初の予定から遅れが生じた。快復は順調であることから少しの計画変更にて遅れを取り戻すことが可能であると考えている。
|
Strategy for Future Research Activity |
平成30年度に実施する予定であった研究課題は、研究代表者の入院および加療によって一部実施することができなかった。そのため平成31年度の第1四半期に被験者および研究設備の予定を再調整して実施するよう準備を進めている。平成31年度に実施予定の研究にて使用する機材および試薬はこれまでに扱ったことがない物が含まれているため、第1四半期に予備実験および試験食の作成も並行して進めていく。第2四半期の後半までにはすべての準備を整えることができるよう進めていく。 平成30年度から研究代表者の所属機関変更により、現所属機関と研究実施機関(前所属機関)の物理的距離(奈良─東京間)が研究を遂行する上での課題である。時間および移動にかかる費用の面から頻繁に予備実験を行うことは現実的ではないと考えられることから、研究実施機関の状況確認を怠らないよう留意し、まとまった期間の滞在が可能な日程で予備実験の計画を立てることで対応する。平成30年度の経験から本実験を開始できた後の日程調整(被験者含む)や研究実施機関との連携には問題は生じないと考えている。
|
Causes of Carryover |
2019年2~3月に病気による入院加療および手術のため、同時期に予定していた研究を実施できなかったことで次年度使用額が生じた。実験設備および被験者の予定を再調整し、2019年7月までに未実施分の研究を実施することを検討している。その後、当初から2019年度に実施予定であった研究に着手する。
|
Research Products
(1 results)