2018 Fiscal Year Research-status Report
アキレス腱断裂の予防に向けた研究ー剣道におけるアキレス腱障害を対象としてー
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18K17856
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Research Institution | Shinshu University |
Principal Investigator |
廣野 準一 信州大学, 学術研究院総合人間科学系, 講師 (50612470)
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Project Period (FY) |
2018-04-01 – 2021-03-31
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Keywords | アキレス腱 / 剣道 |
Outline of Annual Research Achievements |
アキレス腱断裂は、競技復帰まで約半年、その後もパフォーマンスに長らく影響をもたらす重症度の高いスポーツ傷害である。剣道は、アキレス腱断裂が多く発生することに加えて、誘発事象が一定であるため、アキレス腱傷害の発生要因を検討しやすい種目である。 本研究は、アキレス腱断裂の一次予防に向けて、断裂の前段階として関連があるとされる慢性的なアキレス腱障害の発生状況と要因を、若年剣道競技者において明らかにすることを目的とする。具体的には、若年剣道競技者におけるアキレス腱障害の①発生状況の実態調査、②発生に関わると考えられる因子の計測、③発生要因のロジスティック回帰分析による抽出、を行う。 本年度は、上記の課題①②を測定する準備段階として、剣道におけるアキレス腱障害発生の実態と発生因子のうち、質問で調査可能な項目を調査する質問紙の作成を行なった。対象者の特徴や置かれている環境、練習やトレーニング、ケアの内容について、本研究で対象とする高校生にもわかりやすく、かつ詳細な質問紙を作成するため、共同研究者とくり返し打ち合わせを行った。また、調査の際に、近年Oslo Sports Trauma Research Centerにて開発された慢性障害の標準的な調査方法を活用するため、専門家から情報を収集し、調査項目に日本語版の内容を反映した。さらに、調査協力校へ事前の打診を行なったところ、当初の予定よりも大規模な調査が行えそうであったため、質問紙の解析方法についての再検討も行なった。現在、作成した質問紙で情報が十分に収集できるかを検討するための予備実験を行なっている段階であり、これらの予備実験の結果に基づき次年度からの調査を実施する予定である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
当初は今年度中に質問紙の予備実験と測定因子項目の信頼性・妥当性の検討まで完了予定であったが、質問紙における新たな調査項目の追加と測定因子項目の再検討を行なったため、計画よりやや遅れている。
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Strategy for Future Research Activity |
現在質問紙の予備調査を実施しており、概ね順調に進んでいる。また新たに検討した解析方法で調査を進めることで、質問紙の回答入力などの分析にかかる時間が大幅に短縮できる予定である。したがって、次年度は順調に研究を進行できると考えている。
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Causes of Carryover |
今年度は、予備実験と測定因子項目の信頼性・妥当性の検討まで完了予定であったが、質問紙における新たな調査項目の追加と測定因子項目の再検討のため、予備実験の実施や設備備品の購入まで進まなかった。次年度は、現在進行中の質問紙の妥当性・信頼性検討のための予備実験への協力者謝金や、再検討後の測定項目に則した設備備品の購入、測定信頼性の検討への協力者謝金のために、今年度の繰越金を使用する予定である。また、次年度は実際の調査・測定を実施するため、その他の助成金については当初の計画に沿って使用する。
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