2018 Fiscal Year Research-status Report
Clarification of a marathon-induced muscle soreness
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18K17878
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Research Institution | Sojo University |
Principal Investigator |
石倉 恵介 崇城大学, 総合教育センター, 教授 (90755258)
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Project Period (FY) |
2018-04-01 – 2021-03-31
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Keywords | 筋肉痛 / マラソンの壁 / ランニングペース |
Outline of Annual Research Achievements |
平成30年度,実際のマラソン大会に出場する選手の中から研究対象者を募り実験を実施した.11月に開催された第38回つくばマラソンの参加者の中から,研究対象者を募集し応募のあった26名を対象者とした.対象者の特性を規定するために,マラソン大会の3週間以上前に身長,体重,体組成を測定し,有酸素能力として12分間走を実施した.対象者は,マラソンを自分の目標を達成すべく各自でトレーニングを実施していただき,自分のペースで走行してもらった. マラソン大会のレース前,レース直後,2時間後,1日後に肘静脈より血液サンプルを採取した.得られた血液サンプルから筋損傷指標,炎症指標,白血球成分数,酸化ストレス指標など生化学成分を測定した. マラソン走行時には,GPS,心拍計,加速度計の機能を持った機器を装着させ,走行速度,地面接地時間,上下動,上下動比,歩数,歩幅,走行速度,心拍数を測定した.自覚的な筋肉痛をNRS(Numeric Rating Scale)で,マラソン中の「マラソンの壁」の有無(有る場合はその地点)を回答させた.マラソン5km地点,40km地点で真横からハイスピードデジタルカメラにより走フォームを撮影した. マラソンの5km毎のラップタイムからペースを算出し,10km~15kmのペースに対する35km~40kmのペースの比を終盤の速度変化の程度とした.この終盤の速度低下が20%を超える大きな対象者では,マラソン直後の筋損傷指標が大きく,終盤の歩幅が大きく減少していた.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
本研究では,当初の計画通りに実際のマラソン大会において,血液サンプル,選手の走行時のデータならびに映像を取得できた.今後,これらデータの詳細な検討と映像データから走フォームを解析していき,関連性を検討していく予定である.
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Strategy for Future Research Activity |
ハイスピードカメラで得られた映像から,5km地点,40km地点での支持脚の膝関節・股関節の最大屈曲位角度の変化を得て,これらのパラメーターからフォームを崩れ具合を評価する.フォームの崩れ具合の程度と筋損傷指標等や終盤の速度低下率との関連性を検討する. 脚への衝撃が筋損傷へ大きく影響すると考えられるため,フォームの特徴と脚への衝撃の程度を検討する. 検討した結果から,総合的にマラソン誘発性筋損傷の要因を明らかにしていく.
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Causes of Carryover |
デジタルカメラを2台の購入予定としていたが,撮影個所を減らしたことで1台の購入で済ませたことなどによって当該助成金が生じた. これまでの解析から得られたデータの信頼性を得るために,残っている血液サンプルで新たな測定をするための試薬の購入を計画している.
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