2019 Fiscal Year Research-status Report
月経随伴症状のセルフケアとしての有酸素運動の有効性と安全性
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18K17879
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Research Institution | Sophia University |
Principal Investigator |
中村 有紀 (橋本有紀) 上智大学, 文学部, 講師 (30389720)
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Project Period (FY) |
2018-04-01 – 2021-03-31
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Keywords | 月経周期 / 月経随伴症状 / 季節性 / コンディション |
Outline of Annual Research Achievements |
2019年度は、課題①の月経随伴症状の季節変動について大学生を対象としたアンケート調査を実施し、主観的側面からの検討を行った。その結果、月経痛および月経前の身体症状や精神症状について、130名の回答者のおよそ1割~2割が季節による影響を感じていた。「辛く感じる」時季は一様ではなかったが、黄体期の体温上昇に加え、暑さという環境負荷が女性の月経随伴症状や疲労感を増幅させるという予想に反し、「冬」に辛く感じるという回答が多かった。女性の月経随伴症状は痛みを伴うものがあることから、暑さよりも寒さによる冷えや血流量の低下の方が影響する可能性が考えられる。また、それらの症状への対処法について、我慢するが37%、薬を飲むが43%であったのに対し、身体を動かす人は4%しかいなかった。しかしながら、調査を実施したのが寒い時期であったことが回答に影響した可能性も考えられるため、時期をずらして再度調査を実施する必要がある。 さらに、昨年度に引き続き即時的記録法によるコンディション調査の協力を得た。結果は現在分析中である。 暑熱環境下でのコンディショニングに関する図書(分担)1件、女性アスリートのコンディショニングに関する論文1件を執筆した。いずれも、女性特有の月経周期について正しい知識と情報を基に、適切な対応をする必要性を述べている。女性は特に、運動条件、月単位の月経周期の条件に加え、季節のような環境条件にも留意すべきである。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
4: Progress in research has been delayed.
Reason
2019年度の途中で代表者の所属変更があり、研究環境の整備のため一時的に本研究のエフォートが低下する時期があった。 課題②の「異なる環境下での運動に対する生理的応答や月経随伴症状に対する効果の比較」に関する実験について準備を進めてきたが、利用を予定していた研究施設の都合により着手までに時間を要した。また本件は、被験者となる女性の月経周期の確認から、周期に応じたスケジューリングに基づく実験行程まで数カ月を要するが、2020年に入ってからの新型コロナウィルスの影響により、進行中のすべての行程を中断せざるを得なくなり、現在今後の実施の見通が立っていない。なお被験者は運動習慣のある女性としているが、平時に比べ活動量の著しい低下が見込まれる現況において、中断前に得られたデータは使用できない可能性がある。被験者となっている女性の月経周期のモニタリングを継続しながら、再開後の計画について見直しをしている。
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Strategy for Future Research Activity |
実験再開後のすみやかな月経周期把握のため、アプリケーションを利用した記録を共有している。また、正確な排卵時期の確認のため、待機期間中に尿による排卵検査を実施することとした。 7月以降実験が可能であれば、屋外でセルフペースの持久性運動を実施する内容に計画を変更することも検討している。
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Causes of Carryover |
7.現在までの進捗状況 に記した理由により研究計画が遅れているため、使用予定の予算が執行されなかった。それに伴い次年度使用額が生じたが、使用目的に大きな変更はなく、現在中断中の課題②の実験にかかる調査費用、被験者謝金およびアプリケーション使用料に使用する。また当初の予定通り、成果の公表のための費用として使用する。
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