2020 Fiscal Year Research-status Report
月経随伴症状のセルフケアとしての有酸素運動の有効性と安全性
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18K17879
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Research Institution | Sophia University |
Principal Investigator |
中村 有紀 (橋本有紀) 上智大学, 文学部, 講師 (30389720)
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Project Period (FY) |
2018-04-01 – 2022-03-31
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Keywords | 月経周期 / 月経随伴症状 / 季節性 / コンディション |
Outline of Annual Research Achievements |
2020年度は主に、課題②の、異なる環境下での運動に対する生理的応答や月経随伴症状に対する効果を明らかにすることを目的とした実験を計画した。黄体期において、異なる環境下(高温多湿/寒冷)で65% VO2maxの自転車運動を深部体温38.5度まで実施し、その前後の主観的な身体症状や気分の変化を比較することとした。感染症対策として、実験室内に入室できるのは験者1名、被験者1名のみとし、運動中の被験者の換気は室外につないだマスクを通して行うことなどの変更を加えた。また、体力レベルの高くない被験者にとって65% VO2maxの自転車運動は負荷が高く、深部体温が上がりきる前に疲労困憊になってしまう可能性があることから、運動強度を下げることも検討する。14名の被験者から実験への参加協力を得て、基礎体温およびコンディションの記録を開始し、順次メディカルチェック及び最大酸素摂取量の測定等を行った。現時点で、正常月経周期の確認ができなかった2名および、自己都合による辞退が2名おり、10名が待機中である。新型コロナウイルスの感染拡大のため、実験施設が使用できず中断が続いている。 実験が実施できない中でも、被験者は月経周期、基礎体温、身体症状、精神症状等のコンディションについてアプリケーション(Atleta,株式会社エムティーアイ)への記録を継続している。一定期間の記録が得られたものについて、各月経周期を季節性の違いで分類し、体温、身体症状、精神症状の程度を事例として検討しているところである。 暑熱環境下でのコンディショニングに関する図書(分担)1件、女性アスリートのコンディショニングに関する記事3件を執筆した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
4: Progress in research has been delayed.
Reason
2019年度に引き続き、「異なる環境下での運動に対する生理的応答や月経随伴症状に対する効果の比較」に関する実験について準備を進めてきたが、実験計画に感染症対策のための変更を加える必要が生じた。また、感染拡大のため、研究施設の使用が制限される状況が続いている。本研究は、被験者となる女性の月経周期の確認から、周期に応じたスケジューリングに基づく実験行程まで数カ月を要するが、現在、進行中のすべての行程を中断せざるを得ない状況であり、今後の実施の見通しが立っていない。
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Strategy for Future Research Activity |
実験延期について被験者に説明したうえで待機の協力を要請する。 PCR検査実施など施設使用のための条件を整え、最大酸素摂取量の測定など可能な範囲で推進する。再開後のすみやかな月経周期把握のため、アプリケーションを利用した記録を共有していく。また、実験中断の長期化を鑑み、屋外でセルフペースの持久性運動を実施する内容に計画を変更することも検討する。
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Causes of Carryover |
7.現在までの進捗状況 に記した理由により研究計画が遅れているため、使用予定の予算が執行されなかった。それに伴い次年度使用額が生じたが、使用目的に大きな変更はなく、現在中断中の課題②の実験にかかる調査費用、被験者謝金およびアプリケーション使用料に使用する。また当初の予定通り、成果の公表のための費用として使用する。
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