2021 Fiscal Year Research-status Report
月経随伴症状のセルフケアとしての有酸素運動の有効性と安全性
Project/Area Number |
18K17879
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Research Institution | National Agency for the Advancement of Sports and Health |
Principal Investigator |
中村 有紀 (橋本有紀) 独立行政法人日本スポーツ振興センター国立スポーツ科学センター, スポーツ研究部, 研究員 (30389720)
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Project Period (FY) |
2018-04-01 – 2023-03-31
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Keywords | 月経周期 / 月経関連症状 / 気分状態 / セルフペース / 運動 |
Outline of Annual Research Achievements |
課題②で実験室内での運動実験を計画していたが、コロナ禍により実施が困難な状況が続いたため、夏季及び冬季に半屋外のフィールドにて運動を実施する計画に変更して行った。得られたデータの一部を用いて、「卵胞期および黄体期に行うセルフペースの有酸素運動が気分状態や月経関連症状に及ぼす影響」を検討した。 【対象及び方法】正常月経周期の女子大学生7名を対象とし、月経周期の卵胞期(F期)および黄体期(L期)に各1日ずつ測定を実施した。運動は自覚的運動強度(RPE)12~14(ややきつい)程度で行う30分間のセルフペースランニングとし、運動前、終了20分後、24時間後に気分プロフィール検査「POMS2短縮版」および「月経関連症状に関する調査フォームT」を用いて気分状態や月経関連症状の変化を調査した。運動中は、深部体温、心拍数、RPEを5分毎に測定した。本研究は国立スポーツ科学センター倫理審査委員会の承認を受け実施した。 【結果】走行距離(F期:3780.9±676.2m、L期:3746.4±701.4m)、運動中のRPE、心拍数に月経周期の時期による違いは認められなかった。安静時深部体温には有意な差が認められたが(F期:37.36±0.30℃、L期:37.71±0.12℃)、運動開始後に消失した。ネガティブな気分状態を表すPOMS2のTMD得点はF期の運動終了20分後に運動前に比べ明らかな低下が認められたが、L期では運動による変化は認められなかった。月経関連症状の各尺度に運動による変化は認められなかった。【まとめ】セルフペースの有酸素運動は、月経周期の時期に関わらず運動量が維持されることが明らかとなった。一方、卵胞期の有酸素運動は運動後の気分改善効果が認められたが、黄体期では認められなかった。 2022年度は夏季及び冬季の実験データを追加し、季節環境の違いによる影響について検討する予定である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
当初、実験室内での運動実験を計画していたが、コロナ禍により実施が困難な状況が続いたため、夏季及び冬季に半屋外のフィールドにて運動を実施する計画に変更した。実施施設の協力により変更後の計画は比較的順調に進めることができたが、実際の季節変動に合わせてフィールドにて実験を実施するため、被験者の拘束期間が長期間に渡ることになった。その結果、途中離脱してしまう被験者も多く、データ数の確保にはさらなる時間を要する。
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Strategy for Future Research Activity |
変更後の研究計画で実験を継続し、データを蓄積する。 また、感染対策を行った上で、当初予定していた環境制御室内での実験についても可能な限り実施し、データを収集することとする。
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Causes of Carryover |
当該年度に実施予定の実験が終了していないため、次年度も実験を継続する。実験のための旅費、謝金、その他(アプリ利用料、施設使用料)に使用する。
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