2023 Fiscal Year Annual Research Report
Is aerobic exercise safe and effective as self-care for menstrual symptoms at any time?
Project/Area Number |
18K17879
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Research Institution | National Agency for the Advancement of Sports and Health |
Principal Investigator |
中村 有紀 (橋本有紀) 独立行政法人日本スポーツ振興センター国立スポーツ科学センター, スポーツ科学研究部門, 研究員 (30389720)
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Project Period (FY) |
2018-04-01 – 2024-03-31
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Keywords | 月経周期 / 月経随伴症状 / セルフケア / セルフペース / 運動 / 季節 / 環境 |
Outline of Annual Research Achievements |
1)異なる季節に行うセルフペースの有酸素運動が卵胞期および黄体期の気分状態や月経関連症状に及ぼす影響の検討:月経関連症状のセルフケア法の一つと考えられるセルフペースの有酸素運動は、冬季においては月経周期の時期に関わらず運動量が維持されたが、夏季においては黄体期の運動量が低下した。また、運動後の気分や症状の改善も認められず、夏季の暑熱環境下では、運動により期待される効果は黄体期には得られにくい可能性が示唆された。 2)異なる環境条件下での持久性運動が心理的、身体的側面に及ぼす影響の違いの検討:黄体期に定負荷(50-65%VO2max)、同時間の運動を33℃-70%、20℃-50%、7℃-50%(室温-湿度)に設定した3つの環境条件で実施した。運動後は一部の身体症状や精神症状のスコアが低下したが、暑熱環境下では主観的疲労感の高まりが顕著であった。 3)まとめ:本研究課題で目的とする「月経随伴症状のセルフケアとしての有酸素運動の有効性と安全性」について検討を行った。これまで月経随伴症状のセルフケアに関して環境条件の違いに着目した研究はない。先行研究において、月経随伴症状に対して一過性有酸素運動が果たす心理的効果は、PMSによるネガティブな気分状態の改善にも効果がある可能性があるとされていたが、本研究でも一過性有酸素運動は当日自覚された一部の症状の改善に有効であることが示唆された。アンケート調査の結果、若年女性において月経随伴症状はどちらかというと冬季に辛く感じるとされた一方、その対処法として身体を動かす人はほとんどいなかったことから、セルフケアとしての有酸素運動は冬季においてより推奨されるべきである。一方で、夏季の高温多湿環境下では運動による症状の改善が期待できず、身体的負荷が高まることから、月経随伴症状の改善を目的とした有酸素運動の実施環境については注意が必要であると考えられる。
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