2021 Fiscal Year Annual Research Report
Optimized fecal sample handling and comprehensive analysis of metabolite
Project/Area Number |
18K17956
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Research Institution | Tokyo University of Agriculture |
Principal Investigator |
盛 喜久江 東京農業大学, 応用生物科学部, 助教 (10805956)
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Project Period (FY) |
2018-04-01 – 2022-03-31
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Keywords | ヒト糞便 / 代謝産物 / 温度条件 / 短鎖脂肪酸 / 胆汁酸 |
Outline of Annual Research Achievements |
糞便中の代謝産物を測定することが疾患の発症メカニズムの解明に必須と考えられるが、糞便中には夾雑物が多く、また代謝産物は温度などの外部環境の影響を受けやすい。そのため、本研究ではその採取方法、保存方法による代謝産物への影響を検討し、的確な精度管理方法を樹立することを目的とした。当該年度は、前年度に引き続きヒトの糞便のサンプル収集を行い、そのサンプルを用いて、下記条件にて採取および保管し、解析を行った。採取位置は、糞便の前方、後方、中央(内部)、中央(表面)の4か所について検討した。保存方法については、1サンプルにつき温度条件を21に設定した。常温での暴露が30分以内、30分から60分以内、60分以上とし、それぞれさらに4℃、-20℃にて数段階の保存時間を設け、解析までは-80℃に保管した。 短鎖脂肪酸は、コハク酸、乳酸、ギ酸、酢酸、プロピオン酸、iso-酪酸、n-酪酸、iso-吉草酸、n-吉草酸の9 物質の測定を行った。胆汁酸については、主に非抱合型胆汁酸であるコール酸、ケノデオキシコール酸、デオキシコール酸、ウルソデオキシコール酸、リトコール酸、7-ケトデオキシコール酸を測定した。 ギ酸は、常温暴露が60分以上であると常温暴露が30分以内に比べて有意に高値を示した。常温暴露時間が長くなるほど測定項目の濃度は高値になる傾向がみられた。他の短鎖脂肪酸についても、常温暴露時間が長くなるほど、高値を示す傾向が認められ、温度条件によって代謝産物濃度が変動する可能性が示唆された。 採取位置の検討については、端と中央からの採取によって違いが見られる可能性が示唆されたが、サンプル数の不足により検討が必要と考えられる。胆汁酸については採取位置による差は認められなかった。
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