2019 Fiscal Year Research-status Report
食品に含まれる機能性フラボノイドおよびその代謝物による放射線内部被ばくリスク低減
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18K17986
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Research Institution | Sugiyama Jogakuen University |
Principal Investigator |
保田 倫子 椙山女学園大学, 生活科学部, 講師 (00707036)
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Project Period (FY) |
2018-04-01 – 2021-03-31
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Keywords | セシウム / 腸管 / Caco-2 / 代謝物 / ケルセチン / KCNH3 / TRPC1 / TRPM7 |
Outline of Annual Research Achievements |
東日本大震災の際、原発事故により放射性物質による放射能汚染が社会問題となった。これからも地震発生は想定されることを含め、現在でも、放射能汚染対策 は最重要課題の一つである。本研究では、放射能汚染時の内部被ばくによる健康被害の低減対策として、日常的に予防策・対処策として摂取できる「食品」に、 放射性セシウムの体内への吸収阻害効果および体外への排泄促進効果を見出すことを目的としている。 申請者はこれまでに、セシウムの腸管における透過に対して影響を及ぼす食品成分を見出すために、腸管におけるセシウムの移行に関する新規評価系を確立してきた(放射性セシウムによる内部被ばくを防ぐ食品成分-セシウムの 吸収阻害・排泄促進 若手研究B 15K16211)。ヒト結腸がん細胞であるCaco-2細胞をセルカルチャーインサート上で小腸上皮様に分化させ、セシウムのapical側またはbasolateral側の培地に塩化セシウム溶液を処理した際の、逆側の培地中へのセシウムの透過量に食品成分およびその代謝物が及ぼす効果について検討してきた。 今年度は、フラボノイドのセシウム透過に影響を及ぼす効果に関する作用メカニズムの検討を行った。そのために、代謝物および類縁体の効果を調べた。その結果、ケルセチンには効果が見られるが、その類縁体をapical側に処理したとき、また、basolateral側にケルセチン代謝物を処理したときには効果がみられなかった。Na-K ポンプおよびカリウムチャネルに対する関与についても検討を行った。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
動物実験に関する準備を始めたが、設備として進行が困難だと思われたため、in vitroの試験中心とする方針に切り替え、研究を進めている。
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Strategy for Future Research Activity |
これまで、作用メカニズムについて、セシウムトランスポーターについて検討を行ってきた。これについてさらに詳細を検討するとともに、さらに、フラボノイドのキレート形成作用に注目し、検討を続ける。
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Causes of Carryover |
トランスポーターに関する試験に関して、別研究で行っていた試験を本研究でも活用できたため、予定より費用が抑えられた。また、予定していた動物実験の進行が難しくなったため、消耗品の購入を取りやめた。細胞試験等のin vitroの試験に大幅にシフトすることで、来年度に研究費を使用予定である。
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[Journal Article] Dosage time affects alkylating agents induced micronuclei in mouse peripheral blood reticulocytes through the function of erythropoietin2019
Author(s)
21.Itoh, K., Masumori, S., Mukai, D., Sakakibara, H., Yasuda, M. and Shimoi, K
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Journal Title
The Journal of Toxicological Sciences
Volume: 44
Pages: 273-282
DOI
Peer Reviewed / Int'l Joint Research
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