2020 Fiscal Year Research-status Report
多層ネットワーク構造形成によるフード・ツーリズムの持続性に関する研究
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18K18282
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Research Institution | Teikyo University |
Principal Investigator |
飯塚 遼 帝京大学, 経済学部, 講師 (80759522)
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Project Period (FY) |
2018-04-01 – 2022-03-31
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Keywords | フード・ツーリズム / アクターネットワーク / ノール県 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究は、現代ヨーロッパ農村におけるフード・ツーリズムを構成する多層レベルのアクターの役割と、それらの関係性についてアクターネットワーク理論の観点を応用して明らかにすることを目的とする。2020年度は昨年度収集した資料やデータの分析を進めて精緻化を図り、それらのデータ補足も兼ねて事例地域において地域コミュニティやNPOなど草の根レベルのアクターに関する聞き取り調査を行う予定であった。また、消費者としての観光者に対してもフード・ツーリズムに対する意識や各アクターの利用状況に関する調査を行うことにより、体系的なフード・ツーリズムにおけるアクターのネットワーク構造の解明することを目論んでいた。しかし、新型コロナウィルスの流行状況の悪化により現地調査は全く遂行できず、電子メールやリモート会議システムによる対応についても限界があったため、限定的なデータしか得ることができなかった。そのため、日本国内からでもアクセスできるデータベースを活用することで、ある程度補完することができたが、文献調査についてはヨーロッパ外への商品発送を中止する事業者が相次ぎ、資料の入手が困難な状況が続いた。そのような状況下、昨年度までに得られた知見を踏まえたフランス・ノール県におけるフード・ツーリズムに関する研究成果について、その一部を学術誌において公表することができた。一方、学会における研究成果の公表については、現地調査と同様に新型コロナの流行により学会自体が軒並み中止となったため、2021年度以降に順延することとなった。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
4: Progress in research has been delayed.
Reason
対象地域におけるフード・ツーリズムやそれに関連する資料やデータが得られており、調査を通じて地域の状況も把握できている。また、次年度以降につながる関係諸機関との協力体制も得られている。しかし、現地調査が遂行できない状況が続いているため、研究全体の進捗状況としては遅れが出ている。
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Strategy for Future Research Activity |
今後は、新型コロナウィルスの流行状況が改善次第、データ補足も兼ねて事例地域において、より踏み込んだ調査を行う。その一方で、今年度は今までの研究成果をまとめて公表することに注力していく。国内外の学会での発表とともに、とりわけ学術誌での公表を積極的に行っていくことを目指す。
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Causes of Carryover |
新型コロナウィルスの世界的流行により、現地調査が不可能となり、国内外の学術会議についても相次いで中止となったため次年度使用額が生じた。当該助成金については、新型コロナウィルスの感染状況の改善以降の現地調査旅費および国内外の学術会議への参加費用、英語原稿の校閲費に使用することを予定している。
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