2021 Fiscal Year Annual Research Report
Gender and Structural Violence in U.S. Relocation Camps: Okinawa and Canada in Comparative Perspective
Project/Area Number |
18K18300
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Research Institution | Osaka University of Economics and Law |
Principal Investigator |
洪 ユンシン 大阪経済法科大学, 公私立大学の部局等, 研究員 (80751057)
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Project Period (FY) |
2018-04-01 – 2022-03-31
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Keywords | 沖縄戦 / 戦時性暴力 / 収容所 / 慰安所 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究は、沖縄戦における「慰安所」から「収容所」空間をみた女性たちの経験を、多角的に考察するものである。2021年度は慰安所から収容所までの連鎖を最も顕著に見せている事例を探った研究成果を、Zoomを利用して国内外で発表している。まず韓国・台湾・日本 国際共同学術大会において「「国家の犠牲者」の枠を超えた正義と「境界」に置かれた人々の痛みについて」と題した議論を行い、本研究の問題認識を国際会議において紹介した(10月29日 於:Zoom)。さらに、北海道大学で開催されたワークショップ「越境する『過去の克服』-沖縄・台湾・済州・光州におけるポスト帝国の運動と言説」において「沖縄の米軍収容所の中の構造的な暴力とジェンダー:沖縄と朝鮮人女性の経験を中心に」と題し、沖縄戦から収容所へ至るまでの沖縄と朝鮮人の女性たちがどのような体験をしているのかを分析した研究成果を発表した(8月14日於:Zoom)。東京外国語大学「東アジア連続講演会第10回-沖縄と『慰安婦』問題」の特別講演会を行い、慰安所から収容所までの沖縄の証言の特徴について分析した結果を報告した。(3月25日 於:Zoom)一般人向けの講演会としては、性差別撤廃部会が主催する「裴奉奇さんを記憶する人びと ―植民地主義を生きる」で朝鮮人の「慰安婦」被害者である、裴奉奇さんの個人史に焦点を当て、「慰安所」から米軍「収容所」に至る戦中・戦後史を今、考える意味合いについての講演会を行っている(4月23日 於;Zoom)。 さらに、2021年度の最も大きな成果は、沖縄戦研究のなかで米軍による「収容」体験がないとされてきた宮古島の状況を把握したことである。戦後直後から1946年2月まで宮古島で日本軍が行った食糧生産の過程を記録した『陣中日誌』の他、日本軍が戦後直後に発刊した新聞データを収集しデータベース化した。
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Research Products
(9 results)