2020 Fiscal Year Research-status Report
『地域住民のための水害リスクコミュニケーション・サイト』の開発と検証
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18K18317
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Research Institution | Okayama Prefectural University |
Principal Investigator |
齋藤 美絵子 岡山県立大学, デザイン学部, 准教授 (30326417)
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Project Period (FY) |
2018-04-01 – 2022-03-31
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Keywords | 水害リスク / リスクコミュニケーション / 相互理解 / データビジュアライゼーション |
Outline of Annual Research Achievements |
同一地域に暮らす地域住民においても、一人ひとりが認識している水害リスクは異なり、その違いを共有することで地域住民の相互理解を助けることに繋がると考え、地域住民が「自身にとっての水害リスク」を理解するとともに「自身と他者のリスクの違い」を認識することで行動変容に繋がるための要素として、自身の属性や、自宅の場所、災害への備え、家族構成や土地勘、安全情報・危険情報などの関係を分析することができるアンケートを設計し追加調査を行った。 また、前年度に実施したフィジカルの特徴としての運動能力テストに加えて、YG性格検査の結果も活用し、地域住民のリスク認識の傾向を分析した。 調査結果の中には、災害時の避難先として、安全であることを前提に自宅にとどまることを選択した人の約半数が、知識や情報に関する備えとしてハザードマップを選択していないという状況が明らかとなり、避難計画の根拠として自身の主観や思い込みで誤った判断をしている恐れがあることも示唆された。加えて、COVID-19の流行が避難行動へ影響する要因についても分析した結果、感染症が流行している時とそうでない時における避難行動において、性別によって違いがあることが示唆された。具体的には、ほとんどの女性がもともと災害時の避難所利用に対して不安があり、その上、感染症が流行しているというリスク想定が加わったことで、避難所へ行くという選択の優先度が下がったのではないかと推察できた。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
COVID-19の流行により被験者を集めての実験や調査を行うことができなかったため、データ収集に時間を要していることから、予定よりもやや遅れているとした。
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Strategy for Future Research Activity |
リスクコミュニケーションサイトの実装済みの部分から評価に移る。評価のための被験者実験についてはオンラインを活用することで確実に推進する。
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Causes of Carryover |
研究の遅れに伴い、外部委託を想定していたリスクコミュニケーションサイトの制作が遅れたことと、発表を予定していた国際会議の開催が延期されたため残額が生じた。
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