2020 Fiscal Year Research-status Report
住まいの屋外空間における生活者によるデザインの実態とプロセスの研究
Project/Area Number |
18K18319
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Research Institution | Tama Art University |
Principal Investigator |
堤 涼子 多摩美術大学, 大学院美術研究科, 助教 (10816135)
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Project Period (FY) |
2018-04-01 – 2022-03-31
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Keywords | 生活者のデザイン / 住まい / 屋外空間 / 庭 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究では、庶民の生活における住まいの屋外空間を対象に、空間構成、意匠、使用方法、住意識、時代的変遷を捉え、そのデザインプロセスと実態について解明していく。デザインの専門家が関わっていない生活空間に対し、生活者のデザインをデザインの系譜に位置付けることを目的としている。文献調査に加え、実測や聞き取りなどの手法を用いた実踏調査により事例収集を行う。長い時間をかけて経験則から生み出された、その生活者によるデザインを評価し、学ぶことで、文化財の活用やこれからの生活に資するデザイン研究を目指す。本研究で明らかにする課題は、① 実測調査及び聞き取り調査による実態の把握、事例収集、② 資料文献調査による事例収集、③ ①、②を踏まえた生活者によるデザインプロセスの検証である。 既に申請者は基礎研究として、埼玉県、茨城県、福島県、和歌山県、石川県、兵庫県の住まいの屋外空間を調査し、実態とデザインプロセスを検証している。その基礎研究を基にさらに実測調査を行い、聞き取り調査によって、生活者のデザインの条件とそのプロセスを明らかにする。また、研究資料など文献による事例収集を行う。令和元年度は実測調査に必要な技能の習得と資格の取得を行うなど調査準備を行った。令和2年度は平成30年度および令和元年度に予定していた実測調査を行う予定であったが、新型コロナウィルスの感染拡大に伴う緊急事態宣言の発令などにより、個人宅への調査、特に聞き取り調査を行うことが困難であり、地域やを限定した実測調査のみとなった。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
4: Progress in research has been delayed.
Reason
実測調査について庭園実測の専門家に技術的な助言をうけ実測調査を遂行した。和歌山県での限定的な実測調査となった理由としては新型コロナウィルスの感染拡大に伴う緊急事態宣言の発令などにより、所属機関の所在地である東京都から各地への移動が困難であった為である。各地での実踏調査についてはうまく進まなかった。
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Strategy for Future Research Activity |
引き続き、所属機関の所在地である東京都から各地への移動が困難な状況が予想される為、当初の研究計画の調査地を変更し、また、実踏調査の件数を縮小し遂行予定である。また、基礎研究や実踏調査で得た情報を整理し、デザインプロセスの検討やデザイン分析を行う。それらの資料として消耗品費による書籍購入を行う。
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Causes of Carryover |
次年度使用額が生じた理由として、緊急事態宣言の発令などにより移動の自粛が求められた為、令和2年度は所属機関所在地(東京)から各地への実踏調査を行うことが困難であった。次年度についても同様なことが考えられる為、研究計画の変更として調査地の再検討を行い実踏調査を遂行予定である。
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