2021 Fiscal Year Research-status Report
デジタル半導体PET装置による被曝低減・定量精度向上を担保した画像構築法の開発
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18K18412
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Research Institution | Hokkaido University |
Principal Investigator |
孫田 惠一 北海道大学, 大学病院, 副放射線技師長 (20636419)
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Project Period (FY) |
2018-04-01 – 2023-03-31
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Keywords | PET / 半導体 / 被ばく / 定量精度 |
Outline of Annual Research Achievements |
前年度までに、脳および体幹部ファントムによる評価で探索した最適な画像再構成アルゴリズム・減弱/散乱補正法・ピクセルサイズ・逐次近似再構成法の繰り返し計算回数・平滑化フィルタなどの画像再構成条件が患者を対象とした臨床画像に適用できるか検討を行った(一部の成果を論文化し公表済み)。前記のファントムを用いた検討と患者データにより、デジタル半導体素子を搭載したPET装置は従来型PET装置に比べ、病変とその周辺部とのコントラストの低い場合でも良好に描出できる可能性が示唆されたため、令和3年度は同様の状況を想定できる症例の集積を行った。研究代表者が属する施設では、心臓サルコイドーシスに対する18F-FDG PET検査数が多く、また心臓サルコイドーシス病変は低コントラスト状態となることが想定されるためデジタル半導体PET装置の有用性を評価するに最適であると考えた。新型コロナウィルスの影響で思うように症例数が集まらなかったものの当初の目標症例数である20例のデータを集積することができた。 また、本研究のもう一つの目的である被ばく線量低減に関する部分に関しては、小児てんかん焦点検索目的の脳18F-FDG PETを対象に評価する。前年度までに脳を模した人体模型ファントムによる検討および患者データを用いた予備的検討は終了しており、デジタル半導体素子を搭載したPET装置では18F-FDGの投与量は50%程度まで減じることが可能であることを見出した。患者データに関しては、令和3年度終了時点において当初の目標数分の症例数を取得できたため、現在は核医学医師による視覚評価および物理解析を進めている最中である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
当初の計画では、一昨年度までにファントムを用いて見出した最適な画像再構成条件を患者データにより確認および検証する予定であった。しかし、一昨年度は新型コロナウィルスの影響により患者数が減ったことで目標症例数を達成することができなかった。昨年度、延長申請を認めていただいたことで目標症例数は達成できたため、最終年度となる令和4年度内の論文化による公表は可能であると考えている。
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Strategy for Future Research Activity |
研究最終年度に当たる令和4年度の前半期では、これまでに取得したファントムおよび患者データに対して画像解析を行い結果のまとめを行う予定である。低コントラスト状態におけるデジタル半導体PET装置の有用性に関する検討および小児てんかん患者の被ばく低減に関する検討に関して、それぞれ後半期にて論文化し公表する予定である。現状、論文化を行う上での問題点等は無いため特に問題なく遂行できると考えている。
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Causes of Carryover |
延長:2022年3月 コロナウイルス感染拡大の影響で、本年度までの患者データ収集計画に遅れが生じたことで論文化を含めた全体としての計画が後ろ倒しとなっている。翌年前期には、研究発表のための出張費用として、また後期には論文化のための英文校正費用や出版費として使用する計画である。
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