2023 Fiscal Year Annual Research Report
Development of an Image Reconstruction Method Ensuring Dose Reduction and Quantitative Accuracy Using Digital PET System
Project/Area Number |
18K18412
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Research Institution | Hokkaido University |
Principal Investigator |
孫田 惠一 北海道大学, 大学病院, 診療放射線技師長 (20636419)
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Project Period (FY) |
2018-04-01 – 2024-03-31
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Keywords | 半導体 / PET / 被ばく / 定量精度 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究ではデジタル半導体素子を搭載した最新型のPET装置を用いて、定量精度を担保した上での被曝線量低減に向けた臨床画像再構築法の開発を目的とした。 研究項目は、1. 人体模型ファントムを用いた基礎的検討、2. 1.を踏まえたヒトを対象とした撮像条件および画像再構成条件の検証であった。1.では、脳および体幹部を模したファントムを用い、画像再構成アルゴリズム・減弱/散乱補正法・ピクセルサイズ・逐次近似再構成法の繰り返し計算回数・平滑化フィルタなどの画像再構成条件を探索し最適化を行った。この検討において、半導体PETでは低コントラスト状態の撮影対象でも良好に描出できることも見出した。2.では、1.にて最適化した撮像条件および画像再構成条件をヒト臨床画像へ応用し、被曝線量の低減が可能かどうか検証した。小児てんかん焦点検索目的で撮影した脳18F-FDG PETデータを評価対象とした。投与量(=被曝線量)と収集時間の関係がリニアであることを利用し、収集時間600秒を基準として1/2から1/10時間の画像を準備し検討を行った。核医学医師による視覚評価および物理評価を行ったところ、基準の1/2時間の収集時間までは、画質および物理的指標は同等であることを見出した。 最終年度となる令和5年度は、以上の結果を点検・総括したが、一部の解析に不備が見られたため更なる解析作業が必要となった。現状、追加の解析作業は終了したため論文執筆を進めている段階である。 本研究により、デジタル半導体素子を搭載したPET装置では従来型PET装置と比較して、18F-FDGの投与量は50%程度まで減じることが可能であること、つまり被曝線量を50%低減可能であることが示唆された。本研究では脳PET撮影を対象として得られた結果であるが、他の領域においても被曝線量を減少させることは可能であると考えられるため、更なる研究が求められる。
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