2018 Fiscal Year Research-status Report
Watching A New Phase of Our Advanced Science and Technology Society by Dark Tourism
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18K18441
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Research Institution | Kanazawa University |
Principal Investigator |
井出 明 金沢大学, GS教育系, 准教授 (80341585)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
佐藤 翔輔 東北大学, 災害科学国際研究所, 准教授 (00614372)
加須屋 明子 京都市立芸術大学, 美術学部/美術研究科, 教授 (10231721)
八巻 惠子 就実大学, 経営学部, 准教授 (10511298)
高木 亨 熊本学園大学, 社会福祉学部, 准教授 (20329014)
深見 聡 長崎大学, 水産・環境科学総合研究科(環境), 准教授 (20510655)
板倉 陽一郎 国立研究開発法人理化学研究所, 革新知能統合研究センター, 客員主管研究員 (20815295)
角野 貴信 公立鳥取環境大学, 環境学部, 准教授 (50511234)
佐藤 壮広 大正大学, 文学部, 非常勤講師 (90385964)
佐藤 鮎美 島根大学, 学術研究院人間科学系, 講師 (90638181)
出口 竜也 和歌山大学, 観光学部, 教授 (60237021)
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Project Period (FY) |
2018-06-29 – 2020-03-31
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Keywords | ダークツーリズム / 現代アート / 芸術学 / 人文地理学 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究は、「高度科学技術社会の新局面」をダークツーリズムという方法論によって俯瞰的に捉えるという点に意義がある。この最終目標を実現するにあたっては、ダークツーリズムという手法を科学技術社会論に対してどのように適用していくのかを具体的に明らかにしていく必要がある。その具体的手法として、芸術学担当研究者の尽力により、現代アートが非常に大きな役割を持つのではないかということが見え始めた。つまり、芸術文化作品に触れるアートツーリズムのテーマとして、高度科学技術社会が抱える問題に関連した論点を据えることで、ダークツーリズムという営為との結合が起こりうることが分かってきた。 元より「高度科学技術社会」の実体は一般市民からは見えづらく、その意味するところを正確に理解すること自体難しい。しかし、アートという直観的な手法を通じて、その核心部分に接近することは可能である。折しも、森美術館で、「カタストロフと美術のちから展」が開催されたり、渋谷区立松濤美術館において「終わりのむこうへ : 廃墟の美術史」が多くの来場者を集めるなど、高度文明社会の崩壊に対して市井の人々が大きな関心を寄せていることも明らかになってきている。こうした動向を鑑みても、我々の研究チームの方向性が十分な妥当性を有していることも見えてきた。人文地理学の手法によって、具体的な事例から問題意識が離れないような「抑制」が働いていることも研究の質の維持という観点からは有用であった。 また、大規模テロや事故などの悲報がリアルタイムに入ってくる状況下、各種の事案に対して自分たちの問題意識や専門的手法がどのように適用できるのかという点について主にSNSを通じて議論を深めてきた。現状では、論文化直前のアイデアの具現化というレベルであるが、研究最終年度に向けてテクスト化を試みる。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
挑戦的萌芽という制度的仕組み上、研究開始が7月になってしまったが、その割には順調に研究が推移しているように感じられる。メンバーの専門外のノーマークの事故や事件については、適宜専門家にヒアリングを行うことで対応したい。
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Strategy for Future Research Activity |
今後の研究にあたっては、多くのメンバーを擁していることからより学際性を重視した展開を期待している。
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Causes of Carryover |
移籍初年度のため、新大学の執行ルールに慣れず、期限が来てしまった。
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Research Products
(19 results)