2022 Fiscal Year Annual Research Report
Philosophy of "collective intentionality" in technology
Project/Area Number |
18K18474
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
直江 清隆 東北大学, 文学研究科, 教授 (30312169)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
高浦 康有 東北大学, 経済学研究科, 准教授 (00340216)
金光 秀和 金沢工業大学, 基礎教育部, 教授 (50398989)
上杉 繁 早稲田大学, 理工学術院, 教授 (80350461)
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Project Period (FY) |
2018-06-29 – 2023-03-31
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Keywords | 集団志向性 / 事物の共同体 |
Outline of Annual Research Achievements |
本年度は研究の最終年度としてそれぞれの分野に即して研究の取りまとめを行った。 第一はデザインに即しての人間-技術関係についての研究である。本研究では、人間と技術の関係の中核をなすものとしてデザインに注目し、現地調査などを行ってきた。本年度はそれらをもとに、設計の意図と意図せざる使用という、近年の技術哲学におけるホットな議論を取り扱った。設計に意図が介在することは自明でも、意図せざる使用がいわゆる「多様安定性」をもたらす。そのの際の身体的経験の役割、人工物の社会的文脈の生成変化、および責任の所在について、集団の認知、規範構造に関する技術哲学的及びエンジニアリング的な視野から検討を行った。 第二はこの責任の問題に関係する。日本の大企業では危機管理、経営戦略、社会的責任の各志向がわりと独立した関係にあるのに対して、中国の新興企業では密接に絡み合っている。こうした国際比較研究の知見をもとに、企業という視点から人間-技術関係における責任をどこに見いだすべきかについて考察した。よりグローバルな視点からは、企業という集団ににおけるものづくりを通じたSDGsの課題対応と社会的責任についても検討を進めた。 また、科学技術開発と市民などの責任については、生命科学について市民科学プロジェクトを行い、責任のあり方について検討している東北大学の戸田聡一郎助教を研究協力者として、市民の責任、新たな知見に基づいて土壌や作物を形成する際の農家の責任研究を行った。
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