2019 Fiscal Year Research-status Report
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18K18489
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Research Institution | J. F. Oberlin University |
Principal Investigator |
中生 勝美 桜美林大学, リベラルアーツ学群, 教授 (00222159)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
都馬 バイカル 桜美林大学, リベラルアーツ学群, 准教授 (00434457)
徐 亦猛 福岡女学院大学, 国際キャリア学部, 准教授 (00638265)
長谷川・間瀬 恵美 桜美林大学, リベラルアーツ学群, 准教授 (90614115) [Withdrawn]
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Project Period (FY) |
2018-06-29 – 2021-03-31
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Keywords | キリスト教 / 海外宣教支援 / 宗教の多元化 / 台湾 / 香港 / モンゴル / スウェーデン |
Outline of Annual Research Achievements |
本年度は、中生勝美と徐亦猛は、2019年8月23日から27日まで、香港バプティストカレッジ図書館、および香港バプティスト教会での調査を実施した。調査は、文献収集、および雑誌論文の収集であったが、2000年代初期から雑誌が電子図書の形式となり、研究書や論文で引用されている論文を探した。家庭教会など、現在政権によって危険視されているテーマの論文は、表題の閲覧のみで、本文はダウンロードができないことを確認した。 徐 亦猛は、2019年9月27日香に港バプティストカレッジで開催された“The Future of Whole Person Education in East Asian Higher Education: Its Philosophy and Endeavour from Within and Abroad”に参加して、戦時下キリスト教主義学校である福岡女学院が、軍国政府からの圧力を屈せず、厳しい社会状況の中にキリスト教教育を堅持したことを明らかにし、現代の中国社会におけるキリスト教の現状と発展を理解する指標とした。今後、厳しい宗教政策の中、中国のキリスト教会が国家の圧力を屈せず、独自性と本質を保つかについて、検討する必要があることを提起した。 都馬バイカルは、2019年6月20日~24日に開催された中国内モンゴル師範大学モンゴル学院・日本モンゴル文学会共催国際シンポジウム「モンゴル文学史ジャンル論史ーその整合性と解釈」に参加してスウェーデン宣教師J・エリクソンが内モンゴルで撮った写真を活用し、サイチンガの作品の描写されたモンゴル社会の危機について分析しながら現在の社会問題について口頭発表をした。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
2019年7月からの香港の民主化デモの影響で、香港での資料収集が大きく制約された。8月の出張の時も、滞在中、デモ隊に対する機動隊からの発砲があり、交通機関がいたるところで閉鎖され、移動もままならなくなったので、滞在していた香港バプティストカレッジからあまり移動できなかった。 また2020年2月からのコロナウイルスのまん延により、中国、モンゴル国、香港、台湾の渡航ができなくなり、この時期の調査がすべてキャンセルとなった。現在、海外調査が全面的に不可能になっている。2020年後半、および2021年の2月までの時点で、渡航解除がみこめそうな台湾で調査の実施を検討したい。
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Strategy for Future Research Activity |
今後の研究見通しは、海外調査が難しいので、国内での出張調査、およびこれまで収集した資料を中心に、研究を進めていく。現在、夏までの学会が遠隔会議システムによる口頭発表に限られ、また多くの学会で中止、順延が続いているため、口頭発表の機会も限られている。 研究代表者の中生は、2020年11月に台北で開催されるEast Asia Anthropology Associationで、このプロジェクトの研究成果を報告する。その報告原稿を英文にするための、英文校閲で研究費を使う。また、渡航が困難な場合でも、遠隔会議システムによる発表も可能なので、この口頭発表の機会を使い、研究成果を公表する。 研究分担者の都馬バイカルは、北海道に在住するモンゴルで宣教をしていた牧師たちの記憶が残る教会での調査、および彼らが残した資料の調査ので、北海道大学の図書館を調査する計画を立てている。 研究分担者の徐亦猛は、北海道大学で韓国・中国を含む東アジアの宗教文化研究している櫻井義秀教授を始め、研究室の所属の留学生たちにインタビュー調査と文献資料調査を行う。調査の内容を中華圏プロテスタント研究会で発表する予定である。海外渡航が解除になった時、香港バプテスト大学及び上海大学で資料調査を計画している。 今後、この科研での調査は、香港、台湾、中国での資料収集が重要であり、かつ効率的であるので、この地域が渡航解除になったとき、中生と都馬は台湾で資料収集の出張を計画している。徐は、香港バプテスト大学及び上海大学で資料調査を計画している。
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Causes of Carryover |
本年2月から3月に予定していた香港、台湾出張が、新型肺炎流行のために中止となったことで、使用できなくなった。今後は、新型肺炎の終息を待ち、調査を実施したい。
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Research Products
(6 results)