2020 Fiscal Year Research-status Report
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18K18489
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Research Institution | J. F. Oberlin University |
Principal Investigator |
中生 勝美 桜美林大学, リベラルアーツ学群, 教授 (00222159)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
都馬 バイカル 桜美林大学, リベラルアーツ学群, 准教授 (00434457)
徐 亦猛 福岡女学院大学, 国際キャリア学部, 教授 (00638265)
長谷川・間瀬 恵美 桜美林大学, リベラルアーツ学群, 准教授 (90614115) [Withdrawn]
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Project Period (FY) |
2018-06-29 – 2022-03-31
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Keywords | キリスト教倫理 / 内地会 / スウェーデン宣教師 / モンゴル / 写真資料 / 台湾 / 香港 |
Outline of Annual Research Achievements |
本年度は、本来の計画として台湾、およびモンゴル国への出張により研究を継続しようとしたが、新型肺炎のまん延による緊急事態宣言により、海外渡航はすべて不可能となり、海外調査はできなくなった。また中国キリスト教を研究し、編著を出されている櫻井義秀教授と意見交換するため、札幌への出張計画を立てたが、これもコロナ禍による緊急事態宣言の発令により、国内出張の予定もたたなくなり、個別に書籍をそろえて論文を作成することにした。 中生、徐は、これまで調査をした香港での調査成果をまとめる作業を継続した。徐は、中国に於ける儒教とキリスト教の倫理の比較についての論文、および中国のプロテスタント教会の動向についての論文を発表し、中国内地会について口頭発表した。都馬バイカルは、今年度『スウェーデン宣教師が写した失われたモンゴル』(桜美林大学出版会、2021年)を出版し、これまでの研究成果の一部を公表した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
4: Progress in research has been delayed.
Reason
新型肺炎のまん延により、予定していた台湾、モンゴル国出張が不可能となり、研究計画の大幅な見直しが不可欠となった。海外出張ができないばかりか、国内出張も難しくなり、今年度は参考文献を購入して文献研究に切り替えるしかなかった。 本来、本研究は、文献研究では限界のある、中国国内のキリスト教の活動に対する制約を研究しようとしたのであるため、現地調査ができないことは、研究進捗に決定的な影響を与えている。
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Strategy for Future Research Activity |
今後、新型肺炎の終息を祈念して、海外調査が実現できることを期待しているが、先行きは不透明である。そこで、これまで研究協力者となった香港、台湾の研究者と遠隔会議方式で連絡をとりながら、直接ではないがインタビューの継続を図りたい。 また、文献研究も、中国国内のキリスト教関係の雑誌は、ウエッブでの公開が制約されており、かつて公開されていた論文も閲覧できなくなっている。そこで、主として台湾で収集した中国大陸のカトリックの宣教に関する文献を分析し、戦前から戦後にかけての動向を分析することで、現在の状況を把握する基礎を研究したい。 次に、比較の観点から、日本におけるキリスト教弾圧の歴史を、五島、島原、天草一帯の隠れキリシタンの事例を分析し、国家による禁教政策が、いかに姿を変えて生き延びてきたのかを分析し、中国国内での禁教とその継続の可能性を比較検討できる知見を得たいと考えている。
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Causes of Carryover |
本来、香港、台湾、モンゴル国への出張費として計画していたが、現時点で新型肺炎のまん延により、各国の入国ができない状態なので、計画していた海外調査はかなり難しい。 そこで、中国キリスト教の現状を分析するうえで必要となる歴史の問題を文献研究により勧めると同時に、日本国内での天草、五島、平戸での隠れキリシタンの問題を、国家による弾圧と宗教の問題を考える上での比較事例として調査を行い、中国での宗教弾圧が、今後どのような形態で宗教を継続するのかという問題を考えるヒントにしたい。
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Research Products
(4 results)