2019 Fiscal Year Annual Research Report
Neural plasticity of empathetic prosody at the sentence-final position
Project/Area Number |
18K18496
|
Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
木山 幸子 東北大学, 文学研究科, 准教授 (10612509)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
時本 真吾 目白大学, 外国語学部, 教授 (00291849)
小泉 政利 東北大学, 文学研究科, 教授 (10275597)
遊佐 典昭 宮城学院女子大学, 学芸学部, 教授 (40182670)
Jeong Hyeonjeong 東北大学, 国際文化研究科, 准教授 (60549054)
玉岡 賀津雄 名古屋大学, 人文学研究科, 教授 (70227263)
那須川 訓也 東北学院大学, 文学部, 教授 (80254811)
滝浦 真人 放送大学, 教養学部, 教授 (90248998)
幕内 充 国立障害者リハビリテーションセンター(研究所), 研究所 脳機能系障害研究部, 研究室長 (70334232)
|
Project Period (FY) |
2018-06-29 – 2020-03-31
|
Keywords | 終助詞 / 対人関係 / 機能的磁気共鳴画像 / 心の理論 |
Outline of Annual Research Achievements |
本課題は、東アジア言語の話し言葉において共感を示すプロソディ(韻律)の加齢変化と可塑性の神経機序を明らかにするために、日本語の終助詞「よ」「ね」に焦点を置き、それらを理解している間の神経活動を検討した。 機能的磁気共鳴画像法により、終助詞をともなう文を理解する間の脳機能を測定した。その結果、共感機能を担うと考えられてきた終助詞「ね」をともなう文を、同じ内容で終助詞がない文と比べた結果、左中側頭回、左下後頭回、左鳥距回、および右中側頭極等の活動が強まった。言語関連野に加え、心の理論領域である側頭極の関与が認められたことから、終助詞「ね」に他者の状況の把握を促す働きがあることが裏付けられた。一方、文の命題内容を強調する働きを持つ終助詞「よ」の理解について、「よ」がある文とない文を比べた結果、両側中側頭回、左中後頭回、左楔部等の活動が強まった。視覚野として、注意やワーキングメモリにも関与すると言われる楔部が惹起されることから、終助詞「よ」が文の内容を強調し相手の注意を引きつける機能を持つことがうかがえた。文末詞の理解に関して、心の理論、注意、共感に関わる領域の活動を見出したことは、世界で初めての知見である。 文末の終助詞の対人関係調節機能は、東/東南アジア全域に見られる。文末で自分が発した内容を相手と確認しあおうという動機そのものは、ヨーロッパ言語にも付加疑問のような形で見られるという点で、普遍的な現象といえる。したがって文末詞の社会相互作用的役割について神経科学的な証拠を提出することは、コミュニケーションの問題を考える上でも重要な貢献となる。 さらに、各種の学会や一般向けのイベントを通して、言語コミュニケーションの神経科学的研究を紹介し地域との関係を構築し、代表者の所属である東北大学で言語コミュニケーションの発達神経科学研究を実施するための拠点を形成することができた。
|
Research Products
(6 results)