2020 Fiscal Year Research-status Report
音韻獲得の言語相対論の新展開:クリック子音獲得の事例研究
Project/Area Number |
18K18500
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Research Institution | Tokyo University of Foreign Studies |
Principal Investigator |
中川 裕 東京外国語大学, 大学院総合国際学研究院, 教授 (70227750)
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Project Period (FY) |
2018-06-29 – 2022-03-31
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Keywords | コイサン / 音韻獲得 / クリック子音 |
Outline of Annual Research Achievements |
2020年度の主要な調査活動は、(1)昨年度までに収集してきた資料の精緻な分析と、(2)コエコエ語の初期調査、(3)このプロジェクトの副産物的な成果であるカラハリ・コエ語の識字活動に利用可能な正書法とそのためのツールの開発だった。本来予定していたボツワナ共和国カラハリ地域における現地調査はコロナ禍のため実現することができず、その実施は研究期間の延長して、2021年度に実施する申請を行い承認を得た。 上記(1)については、これまで蓄積してきたデータの分析結果をもとに、幼児のクリック獲得の過程で観察される置換音パタンが、より一般的なクリック子音の音韻表示に関する論争(クラスター分析とユニット分析)にとっていかなる含意を持つかの考察を行った。その結果は、現在、執筆中の国際共著論文に組み入れられる予定である。(2)については、ナミビアで話されるコエコエ語の幼児のクリック獲得について、研究協力者が調査を試みた。それに先立ち、調査票の設計、録音方法についての討議をインターネットを利用して行った。しかしながら、同協力者は調査地ウィンドフックに滞在中にコロナウイルスに感染したため、調査を中断した。十分な分析に足りる資料はまだ揃っていないのが現状である。(3)については、研究代表者と研究協力者が、その成果の一部を、東京アフリカ言語学研究会で口頭発表した。また、日本アフリカ学会第58回学術大会でポスター発表する。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
4: Progress in research has been delayed.
Reason
コロナ禍により海外出張ができず、予定していたボツワナでの現地調査ができなかった。ナミビアにおける研究協力者の現地調査は、途中で研究協力者がコロナウイルス感染によって発病し入院・治療をしたため、不完全に終わった。
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Strategy for Future Research Activity |
研究期間の延長の申請が認められたので、2021年度に追加資料収集のための現地調査をする予定。現地ホストであるボツワナ大学の共同研究者から現地のコロナ感染状況の情報を受け、フィールドワークの時期について慎重に決める。その間に、すでに収集した資料の整備と分析をさらに展開すると同時に、他の研究者が記録した資料の中から埋もれている未分析素材の発掘をする。
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Causes of Carryover |
予定していた海外出張がCOVID-19の世界規模蔓延のため実現できなかった。そのために次年度使用額が生じた。 2020年度は最終年度だったので、研究期間の延長を申請し認められた。延長期間に、国内外、特に出張先の地域のコロナ禍の収束の状況をみながら、追加資料収集のための現地調査、ワークショップの現地開催のための時期を慎重に決め、実施する。
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Research Products
(9 results)