2018 Fiscal Year Research-status Report
歴史的資料喪失等を考慮した発生源入力によるオープン化モデルと学術資源基盤の確立
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18K18525
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Research Institution | Kanazawa University |
Principal Investigator |
高田 良宏 金沢大学, 総合メディア基盤センター, 准教授 (30251911)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
古畑 徹 金沢大学, 歴史言語文化学系, 教授 (80199439)
山地 一禎 国立情報学研究所, コンテンツ科学研究系, 教授 (50373379)
林 正治 国立情報学研究所, オープンサイエンス基盤研究センター, 特任助教 (90552084)
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Project Period (FY) |
2018-06-29 – 2021-03-31
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Keywords | 資料喪失 / 発生源入力 / 歴史的資料 / 地域資料 / リポジトリ / 逐次公開 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究では,研究資料のオープン化が立ち遅れている歴史的・文化的物資料に焦点を当て,オープン化を進めることで,「資料喪失」の抑制と研究資料情報の永続的保存と利活用の促進を目指す.具体的には,オープン化を促進するための手段としての「発生源入力」,「早期公開」の可能性・有効性を議論し,実現のために必要な運用モデルと運用環境の確立を目的としている.初年度は,歴史的・文化的物資料を取り巻く環境を他分野と比較するなど,個別課題の議論を進めるとともに,早期公開の手段として「逐次公開」型運用モデルと運用環境の検討を行った.具体的な内容は次のとおりである. Ⅰ.個別課題の議論:研究初期段階から研究資料を把握し,研究の進捗に応じた適切な管理,早期公開を目指す仕組が必要であることから,個別課題として,①実験・観測データ,博物館資料など,他分野のオープン化事例との比較,②研究データのライフサイクルを通しで管理するための基盤, ③研究者やコミュニティによる研究資料情報の整備・活用事例,④研究資料の関係性に着目した横断的情報共有手法等について検討を行った. Ⅱ.「逐次公開」型運用モデルの検討:研究資料をその整理過程から公開し,資料整理・研究データ生成プロセスの可視化を行い,スピーディーな社会的利活用への適用をめざす「逐次公開」型の運用モデルについて検討し,未整理の地域資料を対象に実証を行った.加えて公開までの作業の可視化およびコスト検証等も実施した. Ⅲ.運用環境の検討: ICTおよびリポジトリに精通しているとは限らないデータ所有者が,リポジトリ上のデータ管理を行えるように,OSに非依存なブラウザからファイルをアップロードするだけでコンテンツの一括登録に加え,メタデータやコンテンツの追加登録・更新等が可能なデータ管理システムのプロトタイプを構築した.資料情報の逐次公開・逐次更新が可能となる.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
個別課題の議論,運用モデルの検討,運用環境の検討など,研究課題全般的にほぼ計画通りに進んでいる.
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Strategy for Future Research Activity |
引き続き,早期公開の手段としての「逐次公開」型運用モデルの検討と運用環境の検討・実証を行うとともに,早期公開における研究資料の保有者や作業者のメリット・デメリット,公開インセンティブやリスクの検討も実施する.
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Causes of Carryover |
(理由)繰り越しが生じたのは,予算をより有効に使用するため,逐次公開の初年度の実証ではGitHub,Flickr等を利用するなど経費の節約を図ったためである. (使用計画)繰り越し分(節約分)を次年度計画に加え,実証において範囲を広げるなど,より一層の進展を図る予定である.
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Research Products
(13 results)