2022 Fiscal Year Annual Research Report
Legal personality of autonomous AI
Project/Area Number |
18K18551
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Research Institution | Meiji University |
Principal Investigator |
弥永 真生 明治大学, 会計専門職研究科, 専任教授 (60191144)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
大野 雅人 明治大学, グローバル・ビジネス研究科, 専任教授 (10619688)
木村 真生子 筑波大学, ビジネスサイエンス系, 教授 (40580494)
小野上 真也 清和大学, 法学部, 准教授 (70468859)
岡本 裕樹 筑波大学, ビジネスサイエンス系, 教授 (90372523)
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Project Period (FY) |
2018-06-29 – 2023-03-31
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Keywords | AI / 権利能力 / 不法行為能力 / 犯罪能力 / 納税主体性 |
Outline of Annual Research Achievements |
人工知能(AI)をめぐる法的問題の総論・基礎的部分であり、各論的な法的問題を考察する前提ともなる問題としての、自律的な人工知能に権利能力、意思能力、行為能力、不法行為能力、犯罪能力(または受刑能力)、納税主体性(以下、便宜上、法主体性と総称する)を認める可能性を検討した。法人の法主体性が認められていること(権利能力・行為能力、法人自身の不法行為、法人税の課税根拠、法人に対する処罰)を念頭に置きつつ、自律的な人工知能に法主体性を認めないと何らかの不都合が生ずるのか、他の法律構成によってその不都合は解消できないのか、逆に、法主体性を認めるとどのような問題があるのか(人工知能の意思を法的に観念できるのかなど)を分析し、解釈論及び立法論への示唆を得た。 すなわち、一方では、アメリカ、連合王国、ドイツ及びフランスにおける議論を調査し、いわゆる英米法系の国におけるアプローチと大陸法系の国におけるアプローチとを把握・分析し、他方では、法主体性をめぐる日本における従来の議論をレビューし、人工知能に法主体性を認めることに実益があるのか、かりに法主体性を認めるとすれば、どのような説明が可能なのか、法主体性を認める上での障害としてはどのようなものが考えられるのかについて検討を加えた。 会社法上、会社という法人を認め、その他の法律によっても法人格が認められる社団や財団が認められていることからすれば、人工知能の法主体性を認めることに一定の意義は認められるものの、人工知能については責任財産を想定できないという問題や現在の法人制度においては機関としての自然人が存在するのに対し、自律的な人工知能については、法人における機関に相当する自然人を考えることが適切ではない(またはできない)という問題などが存在することが明らかになった。
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